パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話

パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話-25

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洋平の、粋な計らい?で、スロットのノリ打ちで20,000円ほど勝つことが出来ました。その日の朝に闇金の返済で、追い込まれていましたが、何とか乗り切ってしまいます。そして、ドサクサののなか闇金の営業電話にまんまとのってしまったので、翌日の午前中には通帳に3万円が入金されているはずです。となると今、手持ちのお金は洋平から借りた闇金の返済の残りが3,000円ほど残っているので、合計53,000円くらいになります。

この後、何もなければ次の闇金の返済は間に合いそうです。何もなければ・・・ですが。

 

トラブル

 

久しぶりに、穏やかな日でした。そのまま二人とも部屋に戻り明日の営業の対策をねっています。

「了解です。じゃあ自分今度はこのエリア攻めてみます」

「そうだな。とりあえず、一通りまわったわけだから、この後は反応あるとこに絞っていこうか」

「ですね。兄貴それじゃそろそろ寝ますかっ」

「だな。おやすみ」

「おやすみっす」

次の日、目が覚めるとすでに洋平は起きています。

「おはようございます。朝飯食ってから入りますんで、先に出ますね」

「了解。わかったよ」

外を見ると昨日とは打って変わって、空がどんよりとしています。鉛色の空を見上げると少し気分が落ち込んでなんだかイヤな予感がしました。借金の時とは違う嫌な感じです。

その正体に気付かないままシャワーを浴び、ネクタイを締めると自然とその感じが無くなっていました。

小雨の中を小走りで駐車場に向かい、ドアを閉め車を走らせ営業先に向かう前に、朝食を取ろうとコンビニに寄りました。おにぎりを頬張りふと考えます。

「昨日、借りた闇金入、金されてるか、一応見てみるか・・・」

銀行に寄り、残高を確認すると、しっかりと30,000円入っています。しかし財布に23,000円入っているせいか、それほど嬉しくありません。それどころか借りてしまったことを後悔していました。

「また、苦しみが増える・・・」

頭では理解していても、これをどうにかする策は思いつきませんでした。そして、パチンコ・パチスロのことが頭をよぎります。

「8万勝って、一気に返済したい。8万なら勝てる可能性あるな・・・。」

パチンコ依存症・パチスロ依存症が求めているのは安心感です。

営業先に車を走らせていると、携帯電話がなりました。番号を見ると会社からです。

「もしもし、お疲れ様です。」

「あ、あべくん、おはよう剣崎だ。」

「あ、課長、おはようございます。」

「すまんな、実はあべくんのお客さんで、クレームなんだ。内容はこうで・・・・」

「なるほど、結構、急を要しますね」

「それで、こっちで対応しきれないんだよ。すまんが、一旦こっちに戻って来てくれないか」

「わかりました。では一旦こっちの営業切り上げて戻ります。」

「あぁ、そうしてくれると助かる」

「では、15時から16時の間には先方に着けると思います。先方にはそう対応して下さい。」

「わかった。それまでは何とかこっちで出来るだけの事はしておくよ」

「お願いします」

クレームの内容を聞くと、時間はかかりそうですが、自分が行けば何とかなりそうでした。洋平にはその旨を連絡し、すぐに車を走らせます。

途中、コンビニに寄った時に「ミィ」にメールを打ちました。

「なんか、クレームがあって俺しか対応できないから、一旦そっち戻るよ」

2分もしない内に、メールが返ってきます。

「まじーっ!会えるの!!!!!!」

「うん。目処ついたらまたメールする」

「はーいっ!」

短いメールのやり取りで、痛いほどその喜びが伝わってきます。彼女の強く優しい気持ちが、私の心に安らぎをあたえてくれました。

高速を走らせていると、鉛色の空の向こうには、少しだけ太陽の光が指しています。

 

隙間

 

クレーム先の会社に着くと、すでに怒りを通り越し、諦めの心境になっている担当者が待っていました。

「申し訳ありませんでした。内容は剣崎から聞いております。」

「あべさん。話は後でいい、とりあえずなんとかしてくれ」

「わかりました。一応、開発元のメーカーには連絡を入れてます。専門のスタッフが原因を究明して根本的な部分を修正しますが、私で出来ることはやらせていただきます。」

「たのむよ・・・。とりあえず動けばいいんだ」

一年前に社内のイントラのセキュリティを含めたシステムを導入してもらった、お客様でした。朝の電話で聞いた内容では、何とかなりそうと思っていましたが、実際現場に来てみて状況を見るとその中身はあまりにも複雑です。私は基本的な知識はありましたが、さすがに自分がどうにかできるトラブルではないなと直感しました。しかし、できることはやらせていただきますと言った以上は、やらなければいけません。

「とりあえず、トラブルシューティングひとつずつ潰していくか・・・」

分厚い仕様書に書かれたトラブルシューティングを一つひとつ試していくしか術はありません。何をやっても自分では解決できないことは、すぐに経験と直感で気付きました。しかし、「私では解決するのは無理です。明日のスタッフが来るまでお待ち下さい」とは言えません。相手の担当もシステムが動かないため途方にくれています。もしかすると責任問題に発展するかもしれません。不安なのです。もし私が、すぐに帰れば、そのやり場のない気持ちは、また怒りに変わるでしょう。

こんな時、相手の担当者の気持ちを静めるためには理由が必要です。

「これだけの事をやったんだ。あべさんも何とかしようとしてくれている。開発元のメーカーも迅速に手配してくれたし」というエクスキューズが必要になるのを私は、営業の仕事と、無意味な借金をするための術として学び、それを体で心得ていました。

無意味な自分にとってはネガティブな借金で、処世術を覚えたのは皮肉なものです・・・。

時計を見ると19時を過ぎています。周りを見ると人もまばらになっていました。

「申し訳ありません。なんとか本日中にトラブル解消しようと思ったのですが・・・」

「そうか・・・やっぱり無理だったのか」

「しかし、いくつかのおかしな点が出てきましたので、すぐにメーカーには報告します。明日、10時には来ますので、すぐに対応して明日中には運用できるようになるはずです。もちろん、私も来ますので安心して下さい」

「そうか、たのむよ、ご苦労さん」

そのまま会社に戻り、課長に報告しメーカーにも報告しました。メーカーの担当者と話すと大体の目星はついていて、恐らく大丈夫というのを聞き、改めて課長に報告すると安堵の顔を浮かべていました。

「そうか。よかった。先方はエライ剣幕で来たんだ。あべ君のお客さんだし、わかるやつはいないしで、大変だったんだ。あべ君戻ってきてよかったよ」

「いえいえ。とりあえずわたしも明日先方にいきますんで、向こうに戻るのは明後日の朝、出発でいいですか?」

「いいよいいよ。なんかスマンな忙しくて」

「いえ、大丈夫です。それではお先に失礼します」

会社を出てすぐに「ミィ」にメールしました。

「今、おわったよ」

すると、すぐに電話がかかってきました。

「いやーん、まさくんひさしぶり」

「どうしたんだよ(笑)」

「だってぇ」

「どこにいるの?」

「わたしも、さっき終わったとこ。会社の近くだよ」

「わかった。まってて、10分くらいで着くよ」

「はーい。じゃぁあとでね」

彼女の会社の近くに車を止めると、すぐに私を見つけて真っ先に駆け寄ってきました。

「いやん、まさくん」

「なんだよ(笑)」

彼女の笑顔を見ていると、こっちまで笑顔になってきます。

「すぐに、出張先もどるの?」

「いや、明日もクレーム先の会社にいかなきゃいけないから、明後日の朝に出発するよ」

「じゃぁ、明日も居るの?やったぁ!」

「笑」

「ねぇ、ごはんどうする?あっ、そ・れ・と・も(笑)」

「・・・」

「な、なによっ」

「ごはんは後だっ、まずはおまえをっ!!」

「ちょっちょっやめ、信号青ーっ」

「笑」

家の近くにあるファミレスの駐車場に車を止めます。

「なんか、まさくんと外でごはん食べるのひさしぶりだね」

「うん、そういえばそうだね」

「なんか、たのしいね」

「笑」

ファミレスを出た後、家路につく途中

「泊まっていくよな」

「うん、あっコンビニ寄って。化粧落としないから買ってくわ」

「はいよ」

久しぶりに見た、はしゃぎぎみの彼女の姿に、今日一日の疲れは吹き飛んでいました。パチンコのことも、闇金のことも、それら全ての得体の知れない恐怖も。

「こんな日がずっと続けばいいのに・・・」

そして部屋のドアをあけて、玄関の明かりをつけました。

たくさん溜まっている、チラシやダイレクトメールなどと一緒に、一つの封筒が目に入ります。封筒の送り主にはこう書いてありました。

「不動産の○×サービス」

おそらく家賃が未納のため催促の手紙でしょう。

この時、一気に現実に引き戻されます。今月は家賃を払っていません。電気代もガス代も水道代も携帯代も、洋平にも20,000円借りてます。ミィは出張前にこっそり30,000円財布に入れてくれました。出張費の残りいくらかは出張が終わると精算しなければいけません。そしてなにより、闇金の借金は元金80,000円に増えてます。ということは利息合わせると120,000円にということです。

「どうしたの?まさくん。なに?」

「あ、うん。なんでもないよ」

今は考えないようにしようと思いました。こんなに幸せで良い時間を失いたくない気持ちです。

しかし、そう考えれば考えるほど、恐怖と不安は全身を駆け巡ります。まとわり付くように、あるその違和感はどんなに振りほどこうとしても、振りほどくことは出来ませんでした。

ここで、私が思うことはひとつです。

 

「早く楽になりたい。資金は十分ある。勝って一気に返してやる」

 

以上25話終了です。

パチンコ依存症・パチスロ依存症になり、生活、特にお金のことで崩れるとそこから抜け出すのは、至難の業です。ほんのひと時の幸せな時間も奪ってしまいます。この恐怖や不安から逃れる術はありません。どんなに安心がほしくても得ることはできないのです。そしてパチンコ依存症・パチスロ依存症の私の頭の中に思い描かれるのは一つです。

「パチンコ・パチスロを打ちたい」

頭の中で「安心」を求めた時により強くそのことが頭の中を駆け巡るのです。

 

まだまま続きます。

 

 

 

 

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