パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話

パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話-26

投稿日:2018年12月6日 更新日:

トラブルの為、出張先から戻ってきて何とかクレーム対応をし、久しぶりのミィとの穏やかな時間を過ごしています。出張先での落ち着かない日々が嘘のように幸せな気持ちを感じる事ができています。

しかし自宅に戻ってみると、不動産会社から家賃の滞納の封書が目に入り一気に現実へ引き戻されてしまいました。それでも何とか嫌な気持ちを振り払いミィとの時間を楽しもうとしましたが、得体の知れない不安は取り除くことはできません。

※この物語は半分フィクションですが出てくるエピソードは実際に体験したことです。
いやほとんど実話です。
名前や団体名、組織名等は仮名になってます。
読んでいて気分を害したりする場合がありますのでその辺をご了承の上ご覧下さい。

穏やかな朝

目が覚めると、ミィが朝ごはんを作っています。彼女が部屋に来ている時には見慣れている風景でした。こんな何気無いことに、安心感と安らぎを覚えます。

「あ、まさくん、おはよう」

「あ、うん、おはよう」

「一応、お弁当つくったよ。今日の夜は早いの?」

「あ、ありがとう。そんなに遅くないと思うよ」

「わたし早いから先に来てご飯作ってるね。なにか食べたい?」

「あ、なんでもいいよ」

「でたっ。なんでもいい。」

「あ、ハンバーグ・・・」

「でたっ。困ったときのハンバーグ」

「もぉ何だよ朝から、つっかかるなぁ」

「うそよ(笑)適当につくるわ。早く起きなさいよ遅刻するわよ」

「ふぁい」

とても気持ちの良い時間でした。しかし着替えようとした時に目に入った、郵便物の束を見て一気にその気持ちは覚めてしまいます。

今月は家賃も電気代も水道代も携帯代も、生活に関わる全ての支払いを済ませていません。そして闇金への借金は気がついたらどんどん膨らんでいるのです。彼女が作り出す優しい空気が、かえって私を追い込みました。

「まだ、大丈夫。勝って一気に返せるから平気だ」

心の奥ではもう無理とわかっていても、恐怖を掻き消したいのと、幸せな気持ちを失いたくないということが、明らかに間違った判断を加速させました。

この辺りから私のパチンコ依存症・パチスロ依存症は自分ではどうする事も出来ない状態になっています。

全ての思考がパチンコ・パチスロに向いてしまっていて、ネガティブなイメージを消すためにはパチンコ・パチスロしか考えることが出来なくなっていました。もちろんそれは掻き消すどころかさらにネガティブな気持ちを増幅させる原因になっています。

「ねぇ、まさくん・・・」

「なぁに?」

普通に返事をしましたが、心の奥では不安な気持ちでいっぱいです。もし彼女が今の自分の状態を知ってしまったらこの幸せな時間は二度と訪れない気がしたのです。私は必死に偽ろうとしました。

「なんか、まさくん大丈夫?」

「なにが?」

「うん・・・」

「なにもないよ。普通だよ」

いつもは気付いていませんでしたが、無理に微笑もうとして不安な表情になってしまった彼女の顔を私は見逃しませんでした。

そして、それが私をさらに追い込んでいきます。

しかし彼女は悪くありません。

悪いのは全て自分です。

振りほどけない不安

朝、会社に付くと剣崎課長が早速駆け寄ってきます。

「あ、あべ君おはよう。昨日の件は大丈夫かね?」

「はい。大丈夫です。開発のメーカーも朝から入ってもらえますし、本日中に運用できるようになるとのことでした」

「そうか良かった。頼むよ」

「わかりました」

課長との話が終わり席に着こうとした時、佐伯さんの席が目に入ります。佐伯さんが会社を辞めてから代わりの事務員は入社しておらず、がらんとしたその場所を見ると夜景をみながら話した佐伯さんの言葉が頭をよぎりました。

夜景を見ると、あかりの点いている家が、みんな幸せなんだろうなって思うの。明かりのついている家は、私よりは幸せだって思うわ

佐伯さんの席を見つめていると、向かいに座る事務員が声をかけてきました。

「あべさん。おはようございます。出張どうですか?仮払い金足りてます?」

「あ、おはようございます。か、仮払い金大丈夫ですよ」

一瞬、出張先で全てパチンコに使い、使い込んでしまったことを思い浮かべて、焦ってしまいました。しかし財布には約53000円が入っています。そこで私は少し安心しました。万が一清算するように言われても現金は持っています。

「そういえば、あべさん佐伯さんの連絡先なんて知らないよね?」

またもや予想外の質問に焦ってしまいました。佐伯さんが辞める前に誰にも内緒で食事に行っていますので、それがばれてしまったのかと思いました。もちろん連絡先はしっていますが、すでに携帯電話の番号もメールアドレスも変更されており連絡先はわかりませんでした。

「い、いや知らないけど・・・。お、おれ佐伯さんとは、あまりしゃべったこともないし」

「そうなんだ。てっきりあべさんなら知っていると思ったわ。佐伯さん、あべさんのことお気に入りだったのよ。」

「へぇ~そうなんだ。全然知らなかったなぁ。そんなことなら言ってくれればよかったのになぁ」

「とかなんとか言ってぇ。ホントはもう何かしてるんじゃないのぉ。顔に書いてあるわよ」

ニヤリと微笑み私を見つめました。

「そ、そんなことないですよ!全然知らないっす。っていうかどうしたんですか?」

こんな時にウソをつくのはとても下手くそです。借金する時は簡単にウソがつけるのに・・・。

「いやね、最近佐伯さんあての電話が多いのよ。退社しましたって言っても何度もよ。佐伯さん携帯とか変わってるみたいで連絡先知らないかって。忙しい時間帯に限ってかかってくるから迷惑してるのよね・・・」

「そ、そうですか・・・」

もしかしてと思いましたが、佐伯さんのことを頭から掻き消して、クレーム先に向かう準備を始めました。

そして会社を出て先方につくとすでに、開発先のメーカーの人は来ていて作業を始めています。

メーカーの人に挨拶を済ませて、クレーム先の担当者の元に向いました。

「あ、あべさん。早速はじめているみたいですね。どのくらいかかりますか?」

「メーカーの話では、昼過ぎには作業が終わり、すぐに運用できるようです。申し訳ありません、出来るだけ早く作業していますので今しばらくお待ち下さい」

「わかった、たのむよ」

作業を後ろで見つめていると、ふと現在の自分の状況が襲ってきました。今月は家賃を払っていません。光熱費や携帯代もです。洋平には2万円の借金があります。ミィがこっそり財布に忍ばせてくれた3万円もあります。そして闇金には3社合計、利息も合わせると12万円の借金です。手持ちのお金では全く足りない状態でした。

ここでいつもの考えが頭をよぎります。

「大丈夫、資金はある。勝てる」

もう何度も後悔したこの考え。もちろん勝てる根拠はありません。

作業は予定よりも早く終わり、先方から出たのは13時過ぎでした。すぐに会社に連絡をいれると、剣崎課長が安堵の声をあげていました。

「そうか。良かった。で、あべ君は出張先にはすぐ行くのかね?」

「いえ、一旦事務所に戻って準備します。出張先には明日の朝、出発しようと思っているのですが」

「そうかそうか。わかったよ。それじゃ今日は早めに上がってゆっくり休んで明日からまた頑張ってくれ。ごくろうさん」

「わかりました。お疲れ様です」

会社に戻って報告書を書き、明日の準備を終えて時計を見ると13時50分でした。この辺りからソワソワし始めています。

「すいません。お先に失礼いたしまーす」

会社を出て駐車場に向かう最中、ミィの事が頭に浮かびました。そしてなんともいえない優しい気持ちになります。

「今日はアイツ早いって言ったけど、先に帰ってたらきっとビックリするよな。今日は俺がなんかご飯、作ろうかな」

そんな束の間の気分の中車を走らせ家路に向かう最中、先ほどまでの優しい気持ちが急に吹き飛び、支払いや借金のことが全身を支配しました。

そうです私の状況はもうどうする事もできないところまできていました。そして駐車場に車を止めた時、私の思いは一つです。

「今は14時。19時くらいまでに帰れば大丈夫だろう。あと5時間。資金は5万ちょっと。よし!勝てる!!」

また、勝つ根拠のない、負けることの出来ない戦いです。

 

以上26話終了です。

 

彼女がくれた折角の優しい気持ちも、現在の自分の状況が全て台無しにしてしまいました。この時すでにどうにも出来ない状態でしたが、パチンコ・パチスロが全てを解決させてくれると錯覚してしまいます。パチンコ依存症・パチスロ依存症の怖さの一つである、全ての最優先事項がパチンコ・パチスロになっていました。もちろん解決してくれるどころか、状況はもっと酷くなってしまいます。どんなに全うな気持ちもパチンコ・パチスロには勝てません。

 

まだまだ続きます!

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