パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話

パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話-5

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重い空気の中「あのさ・・・」と口火を切った私ですが、どんな展開になっていくでしょうか。

中には大体の察しがついている人はいるかもしれませんが、ここからどんどん私の最低ぶりが発揮されます。

途中で気分を害された方は申し訳ありません。

その時はそっと閉じていただけたらと思います。

 

 

見えないナイフ

「あのさ・・・」

「うん?」

「実はさ・・・」

「うん」

「やばいことになってさ・・・」

彼女は察していました。

これから良くないことが起こる。

もっと言えば家に来た瞬間から感じていて鍋を用意してる時も食べながら話をしている時も感じていて受け止めなければ いけない恐怖や諦めと必死に戦っていました。

どんなに受け止めようとしてもどんなに気持ちを落ちつけようとしてもどうしようもできなくなった彼女は耐えきれなくなり言葉を漏らしてしまいます。

「何か・・あったの?」

やっとここで言ってもらいたかったセリフを引き出すことができました。

罪の意識からか少しでも気を楽にしたい自分は 、自ら話すのではなく彼女の方から聞いてきたから答えたというふうにしたかったのです。

こんなことには何の意味もありません。

悪いのは全て私です。

ただ自分のしてしまった事を 受け止めきれず、少しでもそばにいる彼女にゆだねたかったんだと思います。

この時、私は気づかずに彼女を追い込んでいました。

彼女は不安と諦めと悲しさが入り混じったような表情で宙を見ています。

ここで彼女は得体の知れなかった不安と恐怖の正体に気づきます。

大好きな人から「嘘をつかれる」なぜなのかわからないけれども、それがなにかもわからないけれども受け止めなければならない。

「実は、財布落としちゃってさ・・・。」

パチンコ・パチスロ依存症の人が緊急でお金を借りる時の常勝手段です。

「あ、そうなんだ」

そっけなく聞こえた彼女の言葉に、こともあろうか私は少し怒りの感情が芽生えます。

「他人ごとかよ。普通、彼氏が困ってるんだからもっと心配するだろっ」

口には出しませんでしたが、心の中では彼女に対してそう叫んでいました。

しかし心の中で思ってることと裏腹に精一杯悲壮感を漂わせようと努力しました。

「私が何とかしなきゃ」と思わせようとしたのです。

彼女に対しての罪の意識はありませんでした。

いや、正確に言うと罪の意識が芽生えてそれをかき消すために 「彼氏が困っているのにそれに気づけない気が利かない女」だからこのぐらいの嘘は問題ない。

というふうにすり替えていました。

パチンコ・パチスロ依存症とはいえ、とんでもない思考です。

改めてですが、悪いのは全て自分です。

彼女に非はひとつもありません。

「・・・」

彼女は無言で宙を見たままです。

「で、財布は届いてたんだけどお金は全部抜かれててさ・・・」

「うん」

「カードとかは全部大丈夫だったんだけど・・・」

「うん」

彼女に対しての理不尽な怒りと、早く楽になりたいという気持ちに耐えきれなくなり口を開きます。

「生活費とかやばいから少しお金貸して欲しいんだけど」

「・・・」

「3万くらい頼むわ」

「・・・」

何も言わない彼女に対してまた怒りの感情が湧いていきますがぐっとこらえてさらに悲壮感を漂わせるよう努力します。

「わかったよ。でも3万とか今持ってないよ・・・」

ここで私は大きな勘違いをします。

心の中で「よしうまくいった」と思いました。

彼女が悲壮感漂う自分になんとかしなきゃと思いお金を貸してくれたと思ったのです。

本当は自分の大好きな人に嘘をつかれてどう対処していいかわからなかっただけです。

ただただ純粋な気持ちにグサりとナイフで刺されても、その傷跡に何もすることができなくて、私の言うことを 受け止めるだけでした。

彼女は部屋に入った瞬間から何かに気づき 、それはきっと良くないことだと察し、しかもそれは自分が対処できることではないと感じて受け入れるしかないと諦めたんだと思います。

私が口を開くまで彼女はその恐怖と戦っていました。

それに対処する術を知らない彼女は諦めることでそれを受け入れることにしたんだと思います。

この時の私は、傷ついた彼女に気づいていません。

それを知るのは約1年後になります。

 

「いつだったら大丈夫?」

「明日銀行からおろしてくるよ。遅くなるかもだけど帰り寄る」

「わかった。で明日の昼飯代ないんだけど千円もない?」

「・・・」

何も言わず彼女は財布から1000円を取り出し私に渡しました。

「もぉ寝ようよ、明日はお互い仕事だし」

「おう、そうだな」

布団に入り電気を消した後いつもの通り体を求めます。

「今日はダメ」

「あれっ生理?」

今まで生理の時以外彼女が拒んだことはありませんでした。

「いや、今日はごめん」

「・・・」

いつもならそれでも求めてましたが、 今日はお金を借りるという目的をはたし、その達成感からかそのまま眠りにつきました。

 

 

朝起きると彼女が先に起きていました。

昨日の夜とは違い、いつも通りの笑顔で 着替えをしながら微笑かけます。

彼女がいる時のいつもの風景です。

「なんか早くないか?」

「おにぎりもってくからご飯、炊こうと思って」

その風景に安らぎを感じ彼女を愛おしく思い、一瞬こんな事が頭をよぎります。

 

「どうしていつも優しい顔で俺をみるんだろう?」

「この感じが毎日だったらいいな」

「消費者金融の借金の事、闇金の借金の事、そのほとんどがパチンコ・パチスロで作った借金の事、全部話したらこいつはどう思うだろうか・・・」

「昨日、嘘をついたことを許してくれるだろうか?」

「それでも俺の事を好きでいてくれるだろうか?」

だけどそんな幸せな気持ちは一瞬で、風のように心の中をすり抜けていきます。

 

 

「おにぎり何個?」

「2個」

「具、なに?」

「かつおとおかか」

「おなじじゃん(笑)」

「まちがった(笑)かつおと鮭のふりかけ」

「はいよー(笑)」

キッチンから聞こえる刻み良いリズムのお米を研ぐ音を聞きながら、少しだけまた眠りにつきます。

幸せってこういうことかもしれません。

しかしここから先、私は自らの手でどんどんこの幸せを崩していく事になります。

 

第5話はこれで終了です。

この日私は大きな間違いをたくさん犯しています。(いや、いつもですが・・・)

まずは闇金の借金の返済額は75,000円なのに彼女に30,000円の借金を申し込みしている事。

この時の私の頭の中はこうです。

「闇金の返済額が75000円とパチの軍資金で30,000円くらい。合わせて10万くらいいるな。ただいきなり十万貸してと言うのは金額がでかすぎるな。貸してくれなくなっても困るし妥当な ラインで30,000円だな。3万円あれば返済まで残り8日だしコツコツ勝っていけばなんとかなるか」

立ち回りに失敗し2日で五万負けたその日にこう思っています。

何も根拠はありません。

依存症の私はただパチンコ・パチスロが打ちたいだけです。

闇金で借金した時の恐怖も、給料日までの約3週間お金がないこともこの時はすっかり忘れています。

そしてこの日私は依存症だということに自分で気づき少しでも普通の生活を取り戻すチャンスを逃しています。

本来は借金の事を全て打ち明けその原因がパチンコであることを告白し、いくら働いても生活がままならないことを正直に話し、その上で彼女に借金の打算をすれば、仮に彼女がお金を貸してくれなくても、話を聞いて彼女が私のそばから離れていっても私にとっては気づくきっかけになったかもしれませんし彼女のことを傷つけることもありませんでした。

しかし私の言動はすべて逆で、パチンコ・パチスロ依存症はどんどん進行していきそれに伴って生活も破綻に向かって進んでいくのです。

 

まだまだ続きます。

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