日本という国が抱える少子高齢化問題。総人口における高齢者の割合が今後どんどん増えていきそれに伴う、年金、介護の問題。独居老人や孤独死の問題など明るい見通しは中々ありません。
パチンコ・パチスロにおいても、若者のギャンブル離れやソーシャルゲームの成長などでパチンコホールにおける高齢者の割合はどんどん大きくなっています。
それに伴い高齢者のパチンコ・パチスロ依存症問題も表面化しているのですが若者の依存症問題との違いは何があるのでしょうか。
今回は高齢者のパチンコ・パチスロ依存症問題について考えてみます。
高齢者の依存症は表裏一体
国や業界がパチンコ・パチスロ依存症問題を取り上げていますが特に高齢者と高齢者以外の依存症を分けては考えていません。
しかし両者の間には決定的な違いがあります。高齢者特有のパチンコ依存症・パチスロ依存症の問題にはどのようなものがあるのでしょうか。
高齢者の依存症は気付きにくい
まず高齢者の依存症は気付きにくい。
つまり表面化しにくいのです。
通常パチンコ・パチスロ依存症の問題で挙げられるのはまず金銭問題ですが生活費に手をだし消費者金融に手を出し抜け出せなくなるパターンというのが多いと思います。
ただ、高齢者の場合、年金の中からパチンコの軍資金を捻出し、負けてしまえばその時点で終わり。
消費者金融やカードローンも利用できないことが多いため金銭的には大きなことにならずに済むということが挙げられるという事です。
高齢者の問題で大きな問題の一つになっている「独居老人」。
つまり家族と離れて独りで生活している老人がパチンコ・パチスロを打つため回りが気付かないということが多いという事。
食事等は日々、市や行政が行う配食サービスを利用していたり、デイサービスを利用している方などはそこで食事がでたり、といった事で表面的には生活面で問題ないように見えてしまうことがあります。
またパチンコを打つにしてもパチスロを打つにしても割合として低貸しが多いため金額的には少ないことが挙げられます。
若い頃から生粋のバクチ打ちみたいなギャンブル依存症の方は別ですが、一般的に高齢者のパチンコ・パチスロ依存症問題は表面化しにくいという特性があります。
それでも依存症は問題です
とはいえ高齢者のパチンコ・パチスロ依存症が引き起こす問題もたくさんあります。
最近で記憶に新しいのは2015年6月におきた「東海道新幹線火災事件」でしょう。
これは、東京発新大阪行き「のぞみ225号」の車内で当時71歳の男がガソリンをかぶりライターで火を点けて焼身自殺をはかり、死亡した事件で、乗員2名乗客26名が重軽傷を負い1名の女性が逃げ遅れて死亡したという事件です。
この男は「少ない年金で生活ができない」と不満を漏らしていたらしいですが、普段からパチンコに通っていて若い時に作った消費者金融の借金もあったようです。
様々な憶測がされているこの事件ですが、ニュースで取り上げられたパチンコ屋でよく出会った人のインタビューを見るとパチンコ依存症の可能性は高そうです。
他にも退職金のン千万円を一年で全て使ってしまったり、朝から一日中パチンコ屋に滞在し家に戻って来ても何もしないため部屋がごみ屋敷のような方とか家族が見かねてやめるように注意すると怒ってしまいその後の関係が悪化してしまい、ますます孤独になってしまうなどの問題が見受けられます。
とはいうものの・・・
家族との繋がりも無く地域との繋がりも殆ど無いような高齢者でも、いつも行くパチンコホールで顔なじみの高齢同士で仲良くなったり、独りで何もせず楽しみの無いような高齢者がパチンコを打つことで生活にハリを持たせるような効果があるという仮説もあるようです。
これはパチンコ・パチスロを打つことによってノルアドレナリンやドーパミン、βエンドルフィン、セロトニン等の脳内物質が放出されるわけですから当然と言えば当然です。
そして仮に依存症が進行したとしても高齢者の場合は途中、病気などで長期入院したり施設に入居するなどして強制的にパチンコができない状態になることがあるので、中々重要な問題として表面化しにくいということがありますが、確実にホールにいつも通っている老人はパチンコ・パチスロ依存症または予備軍の方が殆どという実態があると思います。
パチンコ・パチスロを打っている時の脳にはどんなことが起こっているのかはコチラの記事で詳しくわかります↓
ホール側の思惑
少子化で若年層の人口が減るのと若い人はギャンブル離れで遊戯人口増加は中々見込めず、高齢者の人口比率は上がるとなれば必然的にパチンコホールでの高齢者比率は上がっていきます。高齢者の方は台のスペックやボーダーなど勝つための立ち回りは気にせず打つ方がほとんどです。店選びも、出す店を選ぶというよりも家の近くだったり、いつもいる顔見知りがいるホールを選びます。ということでお客の比率が今後高齢者が増えた場合は一人当たりの投資金額は下がっていきます。
そうなるとホールができるだけ利益を確保しようとすると出さなくなっていきます。
しかも高齢者の場合、ホールにとって都合がいいのは少々ださなくても他の店に変えられえる危険性も少ないわけです。
となった場合高齢者の比率が増えれば増えるほど出さなくてもある程度の売上と粗利益は見込めます。
若い人などパチンコ・パチスロに知識がある客の比率が多いと、ある程度設定をいれて出す店のイメージを作らなくてはいけなかったり芸能人、有名人等を呼んで集客しなければいけませんが、高齢者にとってそれは直接集客につながらないのでそういった事も行わずに済むわけです。
パチンコ・パチスロ共に出さない設定にして放置しておいてもホールにいる高齢者と依存症の人が勝手にお金をつぎ込んでくれるので、さして今現在よりも高齢者の比率が増えれば出玉の還元をするような努力をしなくてもいいような状態になっていくことが予想できます。
多少無理な回収をしてでもできるだけ利益を確保するといったホールが多くなっていくでしょう。
パチンコ業界の数字と規制と依存症の関係性についてはコチラ↓
まとめ
最近は特に低貸しコーナーにはたくさんの高齢者の方がパチンコ・パチスロを打っています。上記の理由で今後ホールにいる高齢者の比率は8割9割という風になるはずです。すでに店によってはそういうところもあるかもしれません。ホールは高齢者が依存症になっても問題が大きくなる前にうやむやになってしまうため気にする必要もありません。
日本が抱える高齢者問題には様々な問題がありますが、パチンコ・パチスロにおける高齢者問題は「店側は出さなくてもいい」という事になります。そうなるとパチンコ・パチスロ依存症の方は出ない店でも打ち続ける訳ですから益々問題を抱えるようになるということです。
今後はパチンコ・パチスロ業界は状況が良くなる事はありません。
今現在パチンコ・パチスロ依存症で苦しんでいる方は少しでも早く克服して巻き込まれないようにしないともっと辛くなります。
一日も早く克服への一歩を踏み出す事を切に願います。
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