パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話

パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話-104

投稿日:2020年7月5日 更新日:

これまでの荒んだ生活から、落ち着いた生活になり、穏やかな日々の毎日でした。それは私が望んでいた日々のはずです。しかし心の奥でうずく違和感を押し殺すことにも必死の毎日でした。

※この物語は半分フィクションですが出てくるエピソードは実際に体験したことです。
いやほとんど実話です。
名前や団体名、組織名等は仮名になってます。
読んでいて気分を害したりする場合がありますのでその辺をご了承の上ご覧下さい。

孤独

夕食を済ませたあと、ミィに支払いの報告と、現在残っている残金の報告をします。

これは、はじめに二人で話し合ったことでした。

「一応、全部支払いしてこれだけ残った」

テーブルの上に、1万円札3枚と1円札9枚、並べます

「うん。わかったよ。で、私のやつ、払った?」

「うん。これ。」

財布の中から支払った明細を取り出し、ミィに渡しました。

「駐車場もちゃんと支払ったの?」

「あぁ、うん。払ったよ。一応、支払わなきゃいけないのは全部支払ったから、大丈夫」

「そっか」

「で、ミィには今月の生活費いくら渡せばいいかな?」

「そうね、まさくん、週に一回バイト代もはいるのよね?」

「入るよ」

「じゃあ、3万円もらってもいいかな?」

この時、私はもの凄い不安を覚えました。

お金は、安心感を与えます。

支払いをし、お金が消えていくたびに安心感を奪われるような気になるのです。

この時一瞬、頭の中にパチンコ・パチスロのことが頭をよぎります。

パチンコ・パチスロで勝てば、安心感は奪われずにすむような気になるのです。

私の中で、衝動が沸き起こりました。

そして、支払いの報告や、ミィに生活費をいくら渡せば良いのかを聞いていると、支配されている気持ちになります。

なんだか、情けない気持ちになり、プライドが保てなくなりました。

しかし、しょうがありません。

彼女なりに必死に考えて、私を支えてくれています。

本当のところをいうと、2人の生活費を考えれば3万円では足りないでしょう。

それなのに、私のなかに湧き上がる感情は、彼女への感謝の気持ちではなく、私の自尊心を奪う人、という気持ちでした。

と、同時に”理屈”では、彼女に感謝しなければいけないということを理解します。

感情と理屈の狭間で、私はとまどい、意気消沈しました。

この先、ずっとミィの借金と自分の借金が綺麗になるまで、抱えていかなければいけないのです。

何年も先のことに感じ、このままずっとこの状況から逃れられない気がします。

結局、パチンコ・パチスロを打たなくても、闇金の借金がなくとも、満たされることはないことに愕然とし、その感情を受け止められない自分がいました。

「ねぇ、まさくん聞いてる?。前、住んでいたアパートの家賃も払わなきゃいけないでしょ?大丈夫なの?」

「え、あ、うん。今度、ちゃんと管理会社に連絡してちゃんと支払うようにするよ・・・」

「もぉう!ちゃんとしなきゃよっ!」

「うん、わかってるよ・・・」

この部屋に来て初めて、一人になりたい気持ちが沸いてきました。

しかし、どの場所にいても、彼女の存在を感じる距離です。

いつもとは、変わらないミィの態度が、よけいに私の心の隙間を大きくさせているような感じがします。

側にいるのに孤独という”違和感”。

誰にも理解されないであろう、その違和感が私を追い込み、少しずつ歯車がずれていくのが、とても恐怖でした。

取り戻したい自分

翌朝、目が覚めるとミィは、先に起きてキッチンに立っています。

自分の弁当と私のおにぎりを作っているのでしょう。

昨日感じた違和感は残ったままですが、幸せを感じる瞬間でした。

いつもと変わらない日常は、安心と安らぎを与えます。

「あ、おはよう。今日私、たぶん残業で遅いと思う」

「あ、うん。わかった。じゃあ、おれも今日はバイトだし、先に帰ってるよ」

「うん。ゴメン。冷蔵庫に夕食入れておいたからちゃんと食べてからバイトいってね」

「うん、ありがとう」

自分のことを大切に想ってくれる人が側にいて、そして穏やかな日常が訪れる。

1万円札をサンドに流し、必死でレバーを叩いたり、ハンドルを握っていた時に、心の奥で求めていた風景が、ここにはあります。

しかし、確かに感じる、幸せや愛や優しさを受け止めるほど、新たに生まれた恐怖や違和感は、少しずつその動きが大きくなります。

ミィにはこの感情を知られては、いけない気がしました。

それが、彼女に対する愛情だし、感謝だと思っていました。

会社が終わり、暗くなった道を一人で車を走らせていると、遠くに見えるキラキラとした色のネオンが気になります。

気がつくと駐車場に着くまでの間にある、全てのホールの看板を目で追っていました。

以前の私でしたら、まず間違いなくその場所に向かっていたでしょう。

なんとか、寄らずに済みましたが、1件、2件とネオンが視界に入る度に、自分の中から何かが、が奪われていくような気がしました。

少しずつ、少しずつ虚しさが大きくなっていきます。

その日、夕食を食べた後、無意識に携帯電話を開いていました。

「もしもし、バイトのあべです。おつかれさまです」

「あべさん。どうしました?」

「すみません。本日、出番なんですが、体調が悪くて、急で申し訳ありませんが休ませていただきたくて・・・風邪だと思うんですが、熱が38度くらいありまして・・・」

「あ、・・・そうですか・・・。では、お大事にして下さい」

「はい、すいません・・・」

関口のことが気になりましたが、腐敗した油や食品の臭いにまみれることを想像すると、どうしてもバイトへ行く気になれませんでした。

ベッドに横になると、少しずつ何かを奪われ、大きくなった虚しさを取り戻したい衝動にかられます。

頭の中に、帰り道に視界に入った、赤や青や黄色のネオンが頭の中を支配します。

おもむろに起き上がり、コートを羽織って玄関を飛び出しました。

車を走らせ、ネオンの光る”あの場所”に向かいます。

そして、駐車場に着き、エンジンを止めた瞬間から、大きな興奮が湧き上がってきました。

きっと、この場所は失われていく何かを取り戻すことができるはずです。

以前のように、生きている実感で満たすことができるでしょう。

闇金の恐怖も、窮屈な後部座席で足を折りたたみながら眠る体の痛みも、厳しい冬の季節に怯える日々も、給料日のその日に全て支払いを済ませた後に財布に残ったお金を見た時に感じる空虚な気持ちも、そして彼女の愛と優しさも頭の中にはありません。

自動ドアが開き、久しぶりに聞く”ザーッ”という雑音や、積まれているコインやドル箱を見た時、あいていた心の隙間が、満たされる気がします。

財布の中身jは、千円札が8枚。

軍資金としては、勝負にならない金額です。

しかし、そんなことはどうでも良いことでした。

 

104話終了です。

 

パチンコ依存症・パチスロ依存症を克服するためには、「打たない」ことが一番重要です。しかし、打たずにいれば、克服できるわけではありません。

この時の私には、そんなことは知る由もなかったですし、自分が依存症だということもわかっていませんでした。

本当の地獄は、少しずつ忍び寄ってきます。

不幸とか苦しみとかは、自分が気がつかないうちに、大きくなるものです。

 

もう少し続きます。

105話↓

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