パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話

パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話-106

投稿日:2020年7月19日 更新日:

やっと、普通の生活に向かって進み始めた生活も、長くは続きませんでした。生きている実感を得られない私は、なんとかそれを取り戻そうと”あの場所”にむかいます。

この先わずか、3,500円の勝ちが再び私を苦しめる要因になることに気付けませんでした。

※この物語は半分フィクションですが出てくるエピソードは実際に体験したことです。
いやほとんど実話です。
名前や団体名、組織名等は仮名になってます。
読んでいて気分を害したりする場合がありますのでその辺をご了承の上ご覧下さい。

空間

仕事が終わり、車に乗り込むと一目散にホールに向かいます。

財布には、昨日の勝ちも含めて1万1千円が入っていました。

スロットを打つには、少ない金額です。

とりあえずは、羽物で資金を増やしてある程度たまったらスロットを打とうと考えました。

駐車場に車を停め、入り口のドアをくぐり、また雑音の中に紛れていきます。

なんとも言えない瞬間です。

店内に入ると、他の機種は見ずに昨日も打った「ファインプレー」に向かいます。

正直、甘デジのほうが、大きく勝てるかもという期待が頭をよぎりましたが、我慢をして羽物の島に向かいました。

今日は客付きも少なく、4台あるファインプレーが全て空いています。

1台だけ28回の大当たりをデータランプが示し、他の台は全て1桁台の当たりでした。

迷わず、一番大当たりを引いているこの台に座ります。

打ち始めると、チャッカーには良く入りますが、中々羽根に拾いません。

しかし、2千円で当りを引くことができました。

ラウンド数は2ラウンドでしたが、すぐにまた当たりを引くことができます。

その後は出たり飲まれたりを繰り返しながらも、閉店時には3,000発近い出玉を獲得することに成功します。

換金すると、1万1千円。

財布の中身は2万円になっていました。

車に乗り込み、すぐにミィへメールします。

「今、仕事終わった。これから帰るよ」

駐車場から車を出した瞬間に返信がありました。

「おつかれさま。気をつけて帰ってきてね」

家路に向かう途中、上機嫌になっています。

金額が少ないとはいえ、久々の2連勝でした。

「このまま、いけば借金なんてあっという間なんじゃね?」

根拠のない自信が私を包みます。

全てが上手くいき始めている気がしました。

ミィとも上手く行き、普通の生活も送ることができ、借金もなくなり、パチンコ・パチスロは勝ち続ける。

しかも、近いうちに改めて佐々木さんを誘おうと考えていました。

彼女との楽しく幸せな毎日の他に、本能を満たすための濃厚な時間も手に入れているのです。

もちろん、ミィとの行為に不満はありませんでした。

だけど、さらに求める自分をごまかすことができません。

佐々木さんに対しては、本能のままに体を合わせ、男が持つ攻撃本能をぶつける感じ。

しかしミィに対しては、強く抱きしめたくなる気持ちを抑え、優しく抱きしめる感じ。

どちらも、自分を満たすものであり、相手も満ちています。

自分にとっては、どちらも欠けてはいけない気がしました。

部屋に着き、玄関のドアを開けると、ご飯の香りが鼻の奥に届いてきます。

優しい気持ちが全身を包みました。

「まさくん。おかえり、おつかれさま」

「ただいま」

「今、あたため直しているから」

「うん、今日は何?」

「肉じゃがよ。でも、しらたき、入れ忘れちゃった笑、メンゴ」

「あぁ全然いいよ、いいよ、おぅ、うまそっ」

鍋の前にいる両手が塞がった彼女の腰を抱きしめ、キスをします。

そのまま両胸に手を伸ばし、優しく掴みました。

「ちょっ、ちょっ!まさくん、なにやってんのよ、もぉ」

私はかまわずに指の動きを止めず、そのあと下半身に移動しヒップをわしづかみしました。

「もぉ、やめてよぉ、マジでお尻、気にしてるんだから!」

「いひひ、ゴメン、ごめん笑」

「いいから、早く着替えてきてっ!もう、ごはんできるよっ!」

「は~い」

少し前に感じていた、違和感に似た満たされない気持ちは、感じなくなっています。

スーツのポケットに入っている、端玉景品の小さな袋に入った、チョコレートを鞄に放り込み、着替えを済ませました。

”失いたくない”という恐怖もどこかに消えています。

今ここには、幸せと優しさしかありません。

点滅

朝、仕事へ行くために、ミィと二人で駐車場まで歩いています。

「まさくん、今日も仕事、遅いの?」

「あ、あ、うん。たぶん遅くなると思う。ゴメン。」

「ううん。大丈夫よ。ムリしないでね」

「あ、買い物とか大丈夫?」

「うん。週末までは大丈夫。でも日曜日は買い物したいな」

「オッケー」

普通の同棲カップルの会話です。

少し前までのすさんだ生活を考えると、180度状況が変わっていることに気づきます。

しかし、そのことに対して深く考える自分はいませんでした。

明らかに、最初にミィが私を受け入れてくれることを決めてくれた時に思っていた感情ではありません。

わかりやすく言うと、調子にのっていたのだと思います。

今ある日常が当たり前に感じていました。

ミィを送った後、自分の会社に向かう途中、いつもより渋滞していることにイライラしています。

会社に着くと、始業時間ギリギリでした。

タイムカードを押し、準備をはじめますが、佐々木さんがどうしても気になって集中できません。

自然と誘うことを考えます

昨日まで、2連勝していることもあり、財布には2万円入っています。

いつものように、食事をしホテルへ行くことを考えても、足りる金額です。

しかし、その後のことを考えると誘うことを躊躇してしまいます。

ここで、考えることは・・・。

「今日もパチを打って、勝つ」

「後、2万くらい勝てば、誘ってもお金残るし大丈夫だろう」

営業に回りながらも、佐々木さんとの行為ばかりが頭に浮かんできます。

白くしっとりと湿った肌や、大きな胸や、緩やかなカーブを描いている腰回りが、フラッシュバックのように点滅し、頭から離れませんでした。

いてもたってもいられなくなった私は、我慢できずに佐々木さんにメールします。

「来週あたり、ご飯どう?」

返信がくるまでの間、隙があれば何度も携帯電話を開き、返信がないか確認していました。

その間も、フラッシュバックは止まりません。

そして、点滅しているフラッシュバックに動きや声が混じった時、携帯電話のメール受信のランプが光ります。

「もちろん、大丈夫ですよ。何曜日ですか?」

私は走らせていた車を路肩に寄せ、改めて携帯電話を開き返信をを打ちました。

「火曜日、大丈夫?」

1分もしない内に返信があります。

「OKです」

おそらく、業務中に返信を打っているのでしょう。

短い文章でしたが、すぐに返信を返してくることが私の誘いを待っていてくれていた気がして、私の自尊心を満たしてくれました。

必要とされることは、デキる男にとって大切なことです。

本当は日曜日か月曜日に誘いたかったですが、バイトの曜日の方が都合が良いと考え、火曜日にしました。

その方が、ミィに怪しまれずに済むでしょう。

同棲をはじめてから、初めて他の女性と会うのです。

ましてや、当然のように男女の行為もあります。

借金をする時のウソは平気ですが、その他のウソは壊滅的に下手くそでした。

自分でもうすうす感じていましたが、私はこんな時とても不器用です。

それに、女性の超能力にも似た、浮気を見破る能力をあなどっては、いけません。

どんなに完璧なアリバイも簡単に崩し、相手をしとめることが可能です。

おそらく女性はこんな時、地球上に存在するどの野生動物よりも的確に相手をしとめる能力が働くようになっています。

私がもし、疑われたら野生のライオンやトラがシマウマやインパラをしとめるよりも簡単にウソを見破られるでしょう。

その日の営業が終わり、会社に戻るとすでに佐々木さんは帰っていました。

引き出しを開けると、付箋のついた缶コーヒーーが入っています。

”おつかれさま。もう誘われないかと思ってた。火曜日、楽しみにしてますね”

誰にも気付かれないようにすぐに缶コーヒーをカバンに放り込み、急いで終了業務を済ませると、すぐに車に乗り込みホールに向かいます。

駐車場に車を停め、ネオンを見つめると、また違った感情が全身を包みました。

「よしゃ、今日も勝つ!」

もし、今日負けると来週の佐々木さんとの約束の時にお金が無いという事態になってしまいます。

あの、白くしっとりと湿った肌や、大きな胸や、緩やかなカーブを描いている腰回りに触れることが出来なくなるのです。

絶対に負けることはできません。

しかし私は忘れています。

今まで、散々「絶対に負けてはいけない」勝負に勝てなかったことを。

 

106話終了です。

 

やっと、少しずつ変わっていくはずだった、生活を自らの手で壊していることに気付いていません。

パチンコ・パチスロ依存症のせいもありますが、私の人間性による部分も大きかったでしょう。

それに気付くのは全てを失ってから何年も先のことです。

 

もう少し続きます。

107話↓

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