パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話

パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話-112

投稿日:2020年9月6日 更新日:

失う辛さと喪失感。そして怒りと嫉妬の中、イヤというほど自分の弱さをつきつけられます。ミィに対しての罪悪感を胸に向かった先は、あの場所でした。

※この物語は半分フィクションですが出てくるエピソードは実際に体験したことです。
いやほとんど実話です。
名前や団体名、組織名等は仮名になってます。
読んでいて気分を害したりする場合がありますのでその辺をご了承の上ご覧下さい。

リバース

久しぶりに聞く、かん高い大当たりを告げる音や、玉をジェットカウンターに流す音。

全ての雑音に包まれた時、空虚な気持ちが少しだけ晴れます。

「いつぶりだろう・・・」

最後にホールに来たのが、一週間前にも感じましたし1年前にも感じました。

最後に来たのは、佐々木さんと久しぶりに体を合わせた数日前・・・。

確か偶然にも勝ち、そのおかげでそのホテルで2番目に値段が高い部屋を選んだのを思い出しました。

ホールの中は、半分くらいの客で埋まっています。

そこまで出ていない気がしました。

財布を見ると2万4千円入っています。

いつもの通りキングパルサーが並ぶ通路へ向かいました。

何も考えずに空いている台に座ります。

ゲーム数や大当たり数を確認したのは、札をサンドに投入してからでした。

大当たり回数ビッグ2レギュラー1、ゲーム数132ゲーム。

いくら私でも、打つべき台ではない履歴と気付きますが、かまわずコインを入れスタートします。

不思議なことに、今まであった興奮はありません。

しかし、まるで誰かに身体を乗っ取られたように、サンドにお金が吸い込まれることを止めることはできませんでした。

大当たりの告知が示されたのは、1万8千円目がサンドに吸い込まれそのコインを使ったところです。

ビッグボーナス。

いつもなら、「よしっ!ここから連チャン!」と気合の入る場面でしたが、心は平穏でした。

だけど、気持ちの奥では手持ちのお金でボーナスを引けたことに安堵します。

「ふぅ・・・」

ボーナス終了後、当然のように128ゲーム以内にボーナスを引けるだろうと想像しました。

クレジットのコインを消化し終わり、下皿にあるコインを手に取ります。

ゾーンである128ゲームまでは、まだあります。

この時、気持ちの中ではまだ余裕でした。

128ゲームのゾーンまでは・・・。

時間は21時。

結局、連チャンもせず、全ての出玉をあっさりと飲ましてしまいます。

さらに追加投資しそうになりましたが、何とか踏みとどまり羽物に移動します。

投資3千円で何とか当たりを引きましたが、結局最後には全ての出玉を飲ませてフィニッシュです。

時間は23時。

少しずつ落とされるネオンの光を背に、広い駐車場をトボトボと歩いていました。

心の中は”無”です。

結局、心の隙間を埋めることはできません。

車に戻り、エンジンをスタートさせた後、改めて財布の中身を確認します。

見ると、千円札が3枚。

全て無くなることがなかったのは、幸運?と言えるでしょう。

「もう、ぜってぇパチ打たないっ!」

さっきまでの平穏な気持ちが影を潜め、怒りや悔しさでいっぱいになります。

気持ちの置き所に困り、さらにイライラは増してきます。

久しぶり誓った禁パチ。

過去に何回思っただろう・・・。

そして、しばらく心の奥に隠れていた影が目を覚まします。

私は、パチンコ・パチスロに支配されていました。

最近は、ミィとの生活、仕事、佐々木さんとのこと、があり「打てなかった」のです。

自らの意志で「打たなかった」のではありません。

使者

「まさくん、お昼ご飯、忘れないでよ」

「あ、うん。ありがと」

心のどこかに闇を抱えながら、ミィと一緒の時だけは、平穏な時間を過ごせています。

それでも、どこかギリギリの気持ちになっているのを感じていました。

営業から戻ってくると、いつも引き出しの中が気になります。

しかし、”付箋の付いた缶コーヒー”はありません。

書類だけが詰まった引き出しの中が、私の心を締め付けていきました。

営業に出ている間、昼近くになりトイレを借りるためにコンビニに寄ると、必ずパチンコ・パチスロ雑誌を手に取っています。

新しい機種の解析記事やライターの実践記事を食い入るように読んでいました。

私はある新台のパチスロが気になっていたのです。

「コンチ4X」「ミリオンゴット」

ほとんどのホールに導入されていて、しょっちゅうドル箱を積み上げている様子は、私の荒んだ心を刺激し、とても魅力的に感じていました。

「万枚、出せば一発逆転!」

そう、思って記事をしっかりと目に焼き付けます。

その反面、打つ怖さもありました。

万枚や3日で100万勝ったという噂も聞いていましたが、20万負け、1週間で100万以上の負けという噂も聞いていたからです。

しかし、パチンコ・パチスロに対しての熱は日に々上がっていきます。

気が付くと、パチのことばかりを考えるようになっていきました。

ホールへ着くと、とりあえずミリオンゴットとコンチ4Xの島に向かいます。

だけど、打つことはありません。

多くても1万前後の資金しか入っておらず、怖くて打てませんでした。

「なんとか、勝って万枚出してやる!」

そう思いながら、座る台はいつものキングパルサーや甘デジ、羽物ばかりです。

そして、ほとんどが打つための資金を貯めるどころか、負けてばかりになっています。

そこでいつも財布の中身はなくなりますが、昼食はミィのおにぎりがありますし、バイトにいけば週に一回、1万5千円が入ってきます。

少しの間、我慢すればまたパチンコ・パチスロが打てるのです。

勝って、望みの台に座り一撃万枚も夢ではないでしょう。

でも、現実は違いました。

打つたびに、お金は無くなっていきます。

その度に

「マジカよ!遠隔かよ!」

「ちきしょう・・・来週まで金ない・・・」

「そういえば、明日飲み会だった・・・やべぇ・・・断ろう・・・」

「ミィの借金、減らせば良かった・・・」

「やっぱり、普通にミィを迎えに行けば良かったんだ・・・」

「もう、スロット辞めたっ!」

ネガティブで後悔の気持ちばかりです。

そうしてどんどん、地獄に向かって歩みを進めていくことになっていました。

気がつくと、最近はミィとのケンカも増えています。

ほとんどが、些細なことが発端になっています。

そして、そのことに慣れてきていました。

たまにヒステリックになるのは女性だからしょうがないと思っていましたし、仲直りのパターンはいつも同じです。

じっくりとミィの話を聞いて、謝る。

そして、体を合わせる。

それだけで十分でした。

ケンカの後は、一瞬だけ仲が深まった気がします。

彼女を大切にしようと誓いました。

パチンコ・パチスロから足を洗い、初めてこの部屋の温もりを感じた時のように、2人で幸せに過ごしたいと思います。

しかし、それは一瞬です。

次の日には、頭の中がパチンコ・パチスロのことでいっぱいになり、ミィの優しさと愛を受け止めるスペースが消えています。

ミィは、そんな私を見て少しずつ得体のしれない不安を募らせていきました。

そして私は、少しずつ、少しずつ表情が曇っていくミィを見て、苛立ちを募らせていきます。

原因は間違いなく私です。

私が自分を追い込む以上に、ミィを追い詰めていることに気づきませんでした。

それに気付いたのは、何年も後のことです。

その時、彼女はそばにいません・・・。

いつも通り、営業が終わり、会社に戻ります。

戻っている最中も、頭の中はパチンコ・パチスロでいっぱいです。

我慢できない欲求に頭が爆発しそうでした。

しかし財布にはお金がありません。

私は無意識に消費者金融のATMに車をとめます。

財布の見えない部分にしまってある、カードを取り出すと、スーッとそのカードが吸い込まれていきました。

ミィが私のためにと、作ったそのカードが完全にATMに吸い込まれ、借入限度額「124,000円」の数字が見えた時、不思議な感覚に包まれます。

心の遠くの影から誰かが覗いているような気がします。

天使のように見えたその姿は、紛れもない地獄の使者でした。

私はそれに気付きません。

 

112話終了です。

 

もう少し続きます。

113話↓

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