パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話

パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話-115

投稿日:2020年9月27日 更新日:

ついに限度額いっぱいまで、ミィのカードからお金を引き出してしまいました。

もう、後はありません。

一発逆転を狙った私の行く先は、神をも恐れぬ行動でした。

※この物語は半分フィクションですが出てくるエピソードは実際に体験したことです。
いやほとんど実話です。
名前や団体名、組織名等は仮名になってます。
読んでいて気分を害したりする場合がありますのでその辺をご了承の上ご覧下さい。

神のお告げ

店内に入ると、雑音のシャワーが全身に染み込んできます。

無意識に向かった先は、「ミリオン・ゴッド」です。

いつか来るべきこの日のために、攻略雑誌をとことん読み込んでいました。

いつも打つキングパルサーのように、たとえ天井が来ても勝てる見込みは少ない機種です。

勝つためには、「1/8192」GOD揃いを引くしかありません。

設定1であれば、ほとんどがモード0か1と呼ばれる地獄モードです。

当選契機である逆押し黄7時に大当たりの抽選が行われません。

しかし、一発「GOD」を引けば、ほぼ5,000枚確定。

ミィのカードから引き出した現金を、戻せる可能性が高まります。

初めて座った、金色の筐体の前で武者震いしました。

一瞬、8万円全てが無くなるかもしれないという、予感めいた気持ちにかられます。

全身の毛穴から、感じたことの無い興奮が湧いてきました。

勇気を振りしぼって、サンドに札を投入します。

今まで、パチスロを打ってきてはじめてのような感覚になりました。

その札がコインに変わった時、その思いは吹き飛びます。

もう、いつも通りに、コインを入れレバーを叩きストップボタンを押すだけです。

時々液晶に演出がおこりますが、他は、意味のない数字の羅列がくるくる回るだけ。

もう予感すらおきません。

頭の中は、真っ白でした。

そして、やっと当選したのは、投資6万3千円目。

もちろん”神”ではなく、液晶に数字が揃っただけ。

そして、単発でした。

そこからの記憶は残っていません。

「お客様、後5分で閉店です」

その言葉で我に返ると、頭の中に得体の知れない何かがうごめいています。

席を立ち、フラフラしながら車にもどりました。

エンジンをかけ、フロントガラス張っている、薄い氷が解けるまでの間、後悔、恐怖、悔しさ、罪の意識。

全ての闇が、全身を覆いました。

全て終了です。

さらに増えたミィのカードを使った借金が増えただけでした。

そして、いくつもの闇は、一つの闇に飲み込まれさらに強大な渦となり全身を駆け巡っていきます。

「ミィにばれたらどうしよう・・・」

どんなに考えても時間は戻ってきません。

ミィに愛想をつかされるかもしれない、もう優しい笑顔を向け大きな愛情を自分に向けることが無くなるかもしれない。

暖かい部屋と食事も、失うことになります。

全てのネガティブなイメージに押しつぶされそうになります。

私は耐え切れなくなります。

無意識につぶやいていました。

「もう、スロットは辞めよう・・・」

財布を見ると千円札が一枚だけのこっています。

どうやって8万円が千円になったのかすら記憶にありませんでした。

大当たりの記憶も最初のゴッドゲームしか覚えていません。

その後の記憶は、闇が全て飲み込んでいきました。

車内が少し暖まり、薄い氷が解けて前の景色が広がると、真っ暗な空に無数の星が輝いています。

私の中の暗闇には、一つの光もありませんでした。

ふたたび

目を覚ますといつもの風景が目の前にあります。

キッチンに立つミィの姿。

私は大きくため息をつきそして、まだ失っていない現実に安堵します。

「まさくん、今日ゴメン。おにぎり一個。足りなかったらコンビニで何か買って」

「あ、うん。わかったよ・・・」

財布には千円しかありません。

こんな時に限って・・・。

不運は続くものです。

弁当の用意を終えたミィは、すぐさまシャワーを浴びにいきます。

スウェットを脱ぎ下着一枚になっているミィの後姿を思わず見てしまいました。

以前なら、見ると怒られていましたが、最近は何もいいません。

ダイエットしたわけでもなく、かといって太った様子もないのに・・・。

昨日、布団に入る時は、ミィに対する罪悪感で押しつぶされそうでしたが、無理やりそれを掻き消し朝を迎えています。

目が覚めた時には、ほとんど残っていませんでした。

ミィをいつも通りに会社へ送り、自分の会社に向かいます。

会社に向かう車中、頭に浮かんでくるのはパチンコ・パチスロのことです。

ここ数日で十数万、一気に溶かしたことになります。

しかし、昨日感じた苦しみなど微塵も感じませんでした。

それよりも、「早く打ちたい」「絶対に取り戻したい」という気持ちに支配されます。

それは、出社してタイムカードを押した後も、営業に回る時も、ミィの作ってくれたおにぎりを頬張っている時も続きました。

しかし、財布の中には千円札一枚のみです。

負けを取り戻すどころか、打つことすらできません。

私は、全身に力が入らないことに気づきます。

それは、違和感となって私を支配するのでした。

不快でたまりません。

これをどうにかしなくては、この先狂ってしまいそうな感覚に陥ります。

しかし、どうすることもできないまま夕方を迎えました。

終了業務が終わり、ミィにメールします。

この時、改めてミィに対しての申し訳なさ、バレてしまうと失ってしまうかもしれないという恐怖に押しつぶされそうになります。

「ミィ、こっちはおわったよ。これから迎えにいくけど大丈夫?」

すぐに返信が帰ってきました。

「まさくんおつかれさま。私もすぐにおわるよー」

いつもの場所で待っていると、ミィが駆け寄ってくるのがみえます。

外は小さな粒の雪が舞っていました。

「まさくん、おつかれっ!何だか一緒に帰るの久しぶりだね!」

嬉しそうにシートベルトをはめるミィの姿をみて、さらに締め付けられる思いが全身をかけめぐります。

どうにかしなければいけません。すでに10万以上のお金を勝手に引き出しているのです。

いつ、気付かれるかわからないのです。

早急に何とかしなければいけないという脅迫にも似た思いにかられました。

部屋に着き、着替えをすませるとミィは早速キッチンに立っています。

「なんかまさくんと一緒にご飯食べるの久しぶりな気がする。忙しかったもんね」

「あ、う、うん・・・そうだな・・・」

私は、ミィと会話するとドキドキしていました。

いつ、カードのことを聞かれるかと思ったからです。

しかし、彼女は機嫌よく私との時間を楽しんでいます

「ねぇ、今日いっしょにお風呂はいる?」

「な、なんだよ急に、今までそんなこと言ったことないじゃん!。それにケツみられるのいやじゃなかったのかよ」

「はっ!?、しまった・・・。やっぱりお風呂いっしょにはいらない・・・笑」

「なんだよそれ・・・笑」

ミィにバレていないような気がして安堵しました。

その日の夜、久々に体を合わせます。

このまま朝が、こなければいいのにと思いました。

翌日もまた、ミィと一緒に帰ります。

だけど頭の中は、コインや銀色の玉、甲高い大当たりの音、そしてノイズ。

頭の中はパチンコとパチスロで支配されています。

打ちたくても打てない状況にイライラしてきました。

部屋に着き、食事を終えて着替えるとバイトに向かいます。

途中、遠くに見えるネオンに後ろ髪が引かれる思いです。

腰や腕に疲れを感じながら、帰宅するとミィはぐっすりと眠っています。

少しだけ優しく幸せな空気が、私の中にある闇を軽くしてくれました。

翌朝いつもの通り、営業の準備をしているとまた、衝動が全身に沸いてきます。

営業成績のことなど入る隙間がないくらいその衝動で覆われていました。

早く、ミィのカードにお金を戻さなければいけません。

バレるのは時間の問題のような気になっています。

恐怖、苦しみ、プライド・・・あらゆるネガティブが体の中で渦巻き違和感となって押し寄せてきました。

車に乗り込み、一件目の営業先に向かう前、コンビニの駐車場に車を停めて携帯電話を開きます。

頭の中は真っ白で、かすかに指先が震えていました。

発信ボタンを押すと、聞き覚えのある低い声が受話器の向こうから聞こえます。

「はい、地獄金融」

 

115話終了です。

 

もう少し続きます。

116話↓

ランキング参加中です!クリックだけで応援できますので宜しくお願いします。

↓ ↓
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ ギャンブル依存症へ
にほんブログ村

-パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話

Copyright© パチンコ・パチスロ依存症を自分ひとりで克服する方法 , 2020 All Rights Reserved Powered by STINGER.