パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話

パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話-121

投稿日:2020年11月8日 更新日:

約束の10分を過ぎてやっとかかってきた。闇金申し込みの審査結果。しかし電話口の男の声は、聞き覚えのある声でした。

※この物語は半分フィクションですが出てくるエピソードは実際に体験したことです。
いやほとんど実話です。
名前や団体名、組織名等は仮名になってます。
読んでいて気分を害したりする場合がありますのでその辺をご了承の上ご覧下さい。

光の粒

男の声を聞き一瞬、ワケがわからなくなります。

あらためて闇金から借りようと新規で申し込んだ先からかかってきた電話口から聞き覚えがある男の声がしました。

「わかるかっ?」

「えっ・・・?」

頭のなかがパニックに陥ります。

「希望ファイナンスだっ!!」

「・・・はい・・・」

「てめぇ、昨日借りたばかりだろっ!!なに、他からつまもうとしてんだっ!!」

「えっあっいや・・・」

私が借りようとしていた闇金「エンジェル金融」は希望ファイナンスとつながっていたのです。

オーナーが同じなのか、ただこういった事態を防ぐ為に情報を共有していただけかは、わかりませんが、とにかく希望ファイナンスに私が他の闇金から借金をしようとしているのがバレてしまいました・・・。

思ってもいない事態です。

おそらく借金は不可能でしょう。

「あべさん、言っただろっ!!他からつまむなって」

「は、はい・・・すいません・・・」

「オマエまさか、他のところからも借りてるんじゃないだろうな」

「い、いえっ、かっ借りてません!」

「ホントか?」

「は、はいっ大丈夫ですっ!!」

もちろん他の闇金から借りていて支払いのために借金をしようとしていることは言えません。

「とにかく、だめだ。貸さねぇ」

「はい・・・」

想定外の出来事に頭のパニックはさらに増え、どうして良いかわからなくなります。

「どうしよう・・・」

様々なことが脳内を駆け巡ります。

「返済どうしよう・・・」

「希望ファイナンスは、この後どうなるんだろう・・・?一括返済とか言われたら・・・」

「ほかに借りれるところはないだろうか・・・」

「他から借りるとしても今借りているところとつながっていて、バレてしまったら、大変なことに・・・」

「リッチファイナンスは、借りれるだろうけど振込みだから、おそらく今日は間に合わない・・・」

「他の闇金・・・探してみようか・・・」

今日支払わなければいけない闇金を返済しなかったら・・・。

その時に自分に起こることを想像して、さらに恐怖は膨らんでいきました。

「どうしよう・・・どうしよう・・・」

追い込まれすぎて、冷静な判断ができなくなっています。

私は、無意識に携帯電話を開き、震える指先で、ダイヤルをプッシュします。

プルル・・・となる呼出音が、耳から体の奥に響いてくるのがわかりました。

「はい、リッチファイナンス」

「あの・・・あべまさたかと申します」

「あべさん?申し込みですか?」

「あ、はい・・・。そちらで以前お世話になったのですが、また借りたいと思いまして・・・」

「はい、少々お待ち下さい」

受話器の向こうから保留音が流れました。

取り残されたような雰囲気が、さらに恐怖を増大させていくのを感じます。

「もしもし」

意外と早く、電話が切り替わり、気持ちの準備をしていない私はビックリしました。

「あっ、あ、はっ、はい・・・」

「あべさん、おいくら希望ですか?」

「す、すみません。5万円です」

あえて借りたい金額を多めに伝えます。

これまでの経験上、言った金額より少なめになることを予想したからです。

「5万円ですね。少々お待ち下さい」

またすぐに保留音に切り替わります。

いつ聞いても、ノイズ交じりの保留音は耳障りでした。

ここから、電話口に男がでたのは約1分の間でしたが、その時間がやけに長く感じます。

借りることができるまでは、安心できません。

「もしもし、あべさん」

やっと保留音が男の声に切り替わった時、ドキリとし全身に汗が噴出してくるのがわかりました。

暗闇の向こうには、光の粒もみえません。

事態

全身に汗が噴出した後、サーッと汗が引き、ひんやりとした感覚が全身を包みます。

「・・・はい・・・」

「5万円、大丈夫ですよ。後ほど振り込みます。返済とかのことわかりますよね?いつもと同じ10日後です」

「あ、は、はい・・・」

いつものように担当の男に代わらず、受付の少し物腰柔らかい男性がそう告げます。

おそらく何度か借りていたため、システマティックに事が動いているのでしょう。

いつものように強面の男を想像させるような、低い声を聞かずに済みました。

そして、あまりにもあっさりと借りることができたので、少しの間あっけに取られてしまいます。

「あ、あのそれでいつ、振り込んでいただけますか?」

「あ、本日入金しますよ。午後には入っていると思いますので確認して下さい」

「は、はい、すいません。どうも・・・」

ここでやっと、安心感を感じます。

振込みは明日になると思っていたのに今日振り込んでくれるのです。

本当に良かったと思いました。

闇金の返済は、出来そうです。

あの恐怖を味わずに済むという嬉しさがこみ上げてきます。

電話を切ったあと、時計を確認すると11時10分。

午後には入ると言っていたのですぐに入金してくれるでしょう。

私は昼になるのが待ち遠しく、営業に身が入りませんでした。

午前中に行かなくては行けない営業先に向かい、業務をとりあえずこなします。

全ての恐怖や苦しみから解放された気がしました。

しかし、私は気付いていません。

事態は、悪くなっているのです。

これで闇金3社からの借入れです。

5万×5万×3万で合計13万円。

利息だけでも、10日間で6万5千円になります。

単純計算ですが、元金を返さなければ、30日で19万5千円というとんでもない金額になります。

私は事態の深刻さに気付かず、その場しのぎの安心感に酔いしれていました。

12時が過ぎ、一目散に銀行に向かいます。

ATMはOLやサラリーマン風の男、高齢者などで列ができていました。

「ちっ、混んでるな・・・」

私は、早く闇金の返済を終えたい気持ちでいっぱいになっている気持ちをグッとこらえ列の最後尾にならびます。

やっと自分の番になった時には、12時30分が過ぎていました。

約束の14時には間に合うでしょうが、多少焦りがでてきます。

それに、先ほど借りた闇金は時間の約束をしていないのです。

まだ、入金されていない可能性も考えられます。

私はあらゆる不安を押さえキャッシュカードを挿入し、”残高照会”を指先でタッチしました。

そして画面に残高が表示されます。

”5万24円”

一気に恐怖から解放されます。

後は、闇金に2万5千円を持っていくだけです。

財布に5万円を入れ、すぐに車に乗り込みます。

心なしか、周りに見える真っ白の風景が綺麗に見えました。

闇金の入っている雑居ビルの近くにある”有料のパーキング”車を停めます。

除雪され路肩に寄せられた雪があるので道幅が狭くなっているので、今までのように路上駐車することはできません。

しかし、ジャンプする返済金2万5千を払っても、手元には2万5千円残っています。

いつもなら駐車料金を払うことに躊躇してしまう場面ですが、ストレスはありませんでした。

闇金のドアを開けると、目の前にいつもの男が座っています。

「あ、あ、すいません。お金返しにきました」

「おう、オマエなんで連絡よこさねぇんだ」

「あ、は、はい・・・うっかり・・・」

「うっかりじゃねぇよ。次、連絡よこさなかったら、全額返済してもらうからなっ!」

「は、はい・・・」

「で、どうすんだ?ジャンプか?」

「はい・・・ジャンプです・・・」

「じゃぁ2万5千円。次も10日後だぞ」

「はい・・・わかりました・・・」

支払い終わったあとすぐに、闇金のビルを離れるとまた苦しみと恐怖が沸いてきました。

ここで現実が頭の中を支配します。

ジャンプするにしても9日後には1万5千円の利息、そして10日後には闇金2社合わせて5万円のお金が必要なのです。

私はしばらく、車を動かすことができずに途方にくれます。

頭の中が闇金の支払いばかりに支配されました。

全身に力がはいりません。

また、重たい鎖が全身に重くのしかかります。

無理やりエンジンキーを回し、午後からの営業先に向かいましたが、気持ちが軽くなることはありません。

営業を回り終えると、すでに空は真っ暗です。

自分の体もコールタールのように真っ暗で重たいドロドロとしたものが血液の代わりに全身を駆け巡っているようでした。

無意識の内にミィにメールを打ちます。

”ミィ、残業になるから先に帰ってて。”

”わかったよ。まさくん調子わるいんだからムリしちゃイヤよ”

終了業務を終えてタイムカードを押し、車に向かいます。

闇金をどうにかしなくてはいけません。

早く返済しなければ大変なことになるという呪縛が頭からはなれませんでした。

無意識の内に車を走らせます。

たどり着く場所はいつものところです。

 

121話終了です。

 

もう少し続きます。

122話↓

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