洋平のおかげ?で2,1000円勝つことができました。その後、夕食は奢りましたが、財布には41,000円入っています。闇金に1万円支払った後に財布からお金が減っていくのを見て、まだ支払っていない、家賃などの生活費の事を考え絶望と恐怖を覚えていましたが、とりあえずは勝ってしまったことにより、落ち着く事ができました。しかしその明後日はもうひとつの闇金融への支払いが待っています。
※この物語は半分フィクションですが出てくるエピソードは実際に体験したことです。
いやほとんど実話です。
名前や団体名、組織名等は仮名になってます。
読んでいて気分を害したりする場合がありますのでその辺をご了承の上ご覧下さい。
安心の価値
翌日、いつもと同じように営業を回り始め、12時になったのを確認して昼食をとろうと広めの駐車場のあるコンビニに車を止めます。
「弁当とお茶と・・・っ!いちご大福うまそう!!昨日勝ったし、買ったろ」
普段は、めったに買わないスイーツも財布に、お金が入っている安心感からかつい手にとってしまいます。
車に戻り、ボーっとしていると翌日に支払う闇金融の事が頭に浮かんできました。
「明日また支払いか・・・。行く事が出来ないからまた、為替でとか言われるのかな・・・。一応電話しておくか」
営業中に電話が掛かってくるのは面倒と考えもありこちらから電話する事にしました。
「はい、希望ファイナンスです」
女性の声ですが、あまり良い気分はしません。
「あの、あべと申しますが」
「どうしました?」
「実は、急な出張で、今、地方にいるのですが明日の支払い、そちらにいけないので銀行振り込みかなにかに出来ないでしょうか?」
「・・・お待ち下さい」
「はい」
1分くらい保留音を聞かされたあと男性の声に変わります。
「あ、あべさん。銀行振り込みとかねぇよ。どうしてもこれないの?」
「はい。すいません。急な出張になりまして・・・」
「しょうがねぇな、じゃあ為替で送って。為替ってわかるか?」
「す、すいません。わかりません・・」
ここで、私はとっさに嘘をつきました。昨日支払った闇金も為替で送金させたという事は、闇金融は銀行口座での入金はなんらかの理由で都合が悪いと判断しました。普段あまり聞きなれない郵便局での為替を使うのは闇金融、特有なものだと思ったのです。もしここで「わかっている」と答えたら、他の闇金融を利用しているのがばれてしまう可能性があると思ってのことでした。
「郵便局の窓口行って"為替で"っていえば教えてくれるから」
「はい。わかりました」
「何時にいけるんだ?」
「午前中に行きます」
「わかった」
電話を切った後、また家賃や光熱費や携帯代の事が頭の中を駆け巡りました。財布を見ると今はまだ4万円入っています。しかし闇金への支払いと手数料、今日の夕食代を考えると2万円ちょっとになることを考えると、また絶望感と恐怖が自分を支配しました。体全身で安心感を求めています。
いてもたってもいられなくなった私は、コンビニにまた戻りパチンコ雑誌をレジに置いていました。
その日の営業が終盤にさしかかった時、洋平からの電話が鳴ります。
「おつかれっす。とりあえず終わったんで、先に部屋戻ってます」
「了解。おれも後、一件終わったら戻るわ」
「了解です。お疲れです」
部屋に戻ると洋平がなにやら、ニヤついた顔で雑誌を見ています。
「おつかれ」
「あ、おつかれっす~」
「なにそれ?エロ本?」
「いやぁ、なんか買っちゃったんですよね。風俗誌っす」
「あーなるほどね。で、いい店ありそうか?」
「わかんないすけど。兄貴、今日デリヘル呼びませんか!?」
「デリヘルかぁ。今日はいいわ。気分じゃないな」
「まじすかぁ・・・でもここ、めちゃ安いっすよ」
「地雷じゃないのぉ?」
「いや、きっと大丈夫です」
「なんだよ、その根拠のない自信は」
「いや、俺の風俗への勘はたしかっす!!だから兄貴っ兄貴っ!」
「ちょ、わかったわかった。じゃぁオレ、外に飯食いにいくからその間に呼べよ」
「・・・でも」
「いいよいいいよ洋平も頑張ってるんだし、まぁ楽しめよ」
「すいやせん・・」
「じゃぁ11時くらいに戻ってくるわ」
マンションの部屋をでた後、車に乗り込み向かった先は、ファミリーレストランでもなく少し古びたラーメン屋でもなく・・・
パチンコ屋です。
明日の闇金の支払い15,000円を考えると、軍資金は23,000円。また意味のない無謀な勝負に挑みます。昼にコンビニでパチンコ雑誌を買った時から、打ちたくてしょうがありませんでした。今、私の絶望感と恐怖を安心感に変えてくれるのはパチンコとパチスロしかありません。しかし確実に安心感に変わるのかはわからないのです。安心感に変わらなければ、もっと大きな絶望感と恐怖になりさらに自分を苦しめる事になります。
以上20話終了です。
もう、この時の私は重度の依存症ですね。おそらくこの日、洋平がデリヘルを呼ばなくても、パチンコ屋に向かった事でしょう。もちろんこれは正しい判断ではありません。それまでも何度も止めようと思ったこともありますし、この時でも心の奥ではうっすらと気付いています。それでも止める事はできません。そして危険なのは、翌日に闇金融の支払いがあり、その現金が財布に入っていることです。万が一支払いが出来なくなった場合の恐怖は身を持って体験してるので十分わかっているつもりです。しかしもし負けがこんでいき、そのお金にも手をだしてしまったら・・・
まだまだ続きます。
21話↓
ランキング参加中です
↓ ↓
にほんブログ村