パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話

パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話-31

投稿日:2019年1月27日 更新日:

全てをわきまえて自分の範疇で人生を楽しんでいる洋平が、とても羨ましく思いそして自分と比べとても孤独を感じていました。この時感じた得体の知れない気持ちが一気に禁パチを決意した自分を以前の自分に引き戻してしまいます。

安心感を求めた私は布団に入り恐怖に押しつぶされながら私は考えました。

「資金は約5万円・・・よしっ勝てる!」

※この物語は半分フィクションですが出てくるエピソードは実際に体験したことです。
いやほとんど実話です。
名前や団体名、組織名等は仮名になってます。
読んでいて気分を害したりする場合がありますのでその辺をご了承の上ご覧下さい。

勝利の意味

昨日の夜感じた孤独感や恐怖感はありませんでした。

資金約5万円を使い、パチンコ・パチスロで勝ち、闇金の借金を一気に返す決意をしたからです。もちろんこの判断は間違っています。しかしパチンコ依存症の私が禁パチを決意し、どうにもならない状況を何とかしようとした時よりも遥かに希望に満ち溢れていました。

パチンコ依存症の私は気付いていません。全ての恐怖を掻き消してくれるのはパチンコと勘違いしていることを。そしてその勘違いにはピッタリと地獄が張り付いています。

前日とは違いイキイキと営業を回っているなか、中規模の中古車販売会社を訪問した時でした。

「・・・ということです。御社にも必要なサービスですので、この機会に是非ご検討下さい」

「おぉ、これはすごいねぇ。実はこういうことが出来ないかなと探していたんだよね」

「あ、ありがとうございます。それでしたら是非お話させてください!!」

「そうか。だけどこの後は、時間がないんだ。どうしようかな。えーっと・・・」

訪問先で対応してくれたその担当者は名刺を少し目を細めて名前を確認しようとしました。

「あ、あべと申します!それでは明日以降で改めて訪問させて頂きます」

「う~ん、できれば早い方がいいなぁ・・・スマンが本日はもうこれないかな?」

「あ、ありがとうございます。かまいません。何時くらいにお伺いいたしましょうか?」

「うん18時くらいだと都合がいいんだが、そちらの都合はどうだろうか?」

「は、はいでは18時に改めてお伺いします!」

久々に手ごたえを感じました。出張にきてから中々、はっきりとした成果が見えなかったのでとてもチャンスに感じています。

また、洋平に対して先輩としての面目がたつなぁという、ちょっとした下心もありました。

しかし私は正直複雑でした。私の気持ちはパチンコに向いていたのです。今日は少しでも早い時間に終わらせてパチンコを打とうと思っていました。勝って闇金の借金を一日も早く完済する目処をつけたいと思っていました。しかし18時に訪問するとパチンコは打てないかもしれません。

昼食を買いにコンビニに入ったとき、真っ先に向かったのは雑誌のコーナーでした。パチスロ雑誌をパラパラめくりながら、心の中ではこのままパチンコ屋に向かいたい気分でした。

とりあえずおにぎりとお茶、スポーツ新聞を買い、車に戻って昼食をとりながらスポーツ新聞を広げます。

その中には明らかに闇金の広告がたくさん並んでいました。(この頃のスポーツ新聞には一般の消費者金融に紛れて闇金の広告が載っていました)

「他社で断られた方、当社が力になります!」

「安心の○△クレジット」

「クレジットの一本化!ご相談下さい」

そんな広告を見ながら、「すぐに勝って返してやる!もう闇金とはおさらばだっ!」と思っていましたが、そう思えば思うほどパチンコが打ちたくてしょうがなくなります。

そう考えると、先ほど手ごたえがあった訪問先に対してイライラを覚えてきました。

「なんで今日、訪問なんだよ!パチンコ打ちにいけないかもしれないじゃないか」

せっかくの顧客獲得のチャンスさえ今の自分にとってはジャマに感じています。

もう、この頃は自分にとってなにが大切かもわかっていない状態です。というよりもどんな事柄より自分にとって一番重要なことが、パチンコ・パチスロを打つことになっていて、全てを解決するのが、パチンコ・パチスロになってしまいました。

神様

昼食を食べ終えてコンビニの駐車場を出ようとすると、携帯電話が鳴りました。番号を見ると会社からでした。

「あべさんお疲れ様です」

会社の事務員からです。

「あ、お疲れ様です。どうしました?」

「あべさんが午前中にパンフレットを置いたところで詳しい話を聞きたいと連絡が入ってます。動けますか?」

「丁度、今昼食食べ終わって午後から回ろうと思っていたところで、特に決まったアポが入っている所はないんで大丈夫ですよ。ちなみになんていう会社ですか?」

「あ、良かったです。会社名は株式会社アースデザインというところです。今日この後であれば担当者がいつでも良いとおっしゃってました」

「あ、アースデザインね。伺った時に担当がいなくてパンフだけ置いてきた所だ。近いんですぐに行きます」

「わかりました。お願いします。さすがあべさん!調子いいですね!!」

「あ、うん、どうもありがとう」

「ではお願いします。お疲れ様です」

「了解!お疲れさまです」

こんな時に限ってもう一件アポイントが入ってしまいました。実はこの時、このまま営業をサボってパチンコを打とうという気持ちが芽生えていました。

私は気分が悪くなっています。これからやろうとしていたことをジャマされたのです。闇金の借金を返すための行動をさえぎられた気分でした。あたりまえですが、間違っているのは私の方です。

「ちっ。しょうがない。今日のところは仕事をするか・・・」

私は神様は信じていませんでしたが、きっと私にチャンスを与えたのでしょう。間違った行動を起こしそうな私を止めてくれたのだと思います。しかし私はみすみすこのチャンスを棒に振る行動を起こし続けるのですが・・・。

アポイント先に着き営業を始めるとトントン拍子に話が進んでいきます。自分にとってはラッキーです。コチラから商品を説明して必要性を訴えなくてもある程度、相手が商品を理解しその商品を導入しようとしてくれています。

営業を回っていると時々こういう顧客に出会うことがあるのです。

話しはじめて約2時間が経過していました。

「よくわかったよ。一応稟議にあげなければいけないけど導入する事になると思います。」

「ありがとうございます。一応こちらの市には期間を決めて営業に回っているので、大体の導入時期だけでも教えて頂けないでしょうか」

「うん、そんなにかからないよ1ヵ月後・・・遅くても再来月初めには導入する事にしたいな」

「かしこまりました。何かありましたら来週までは、お伺いできますのでいつでもご連絡下さい。御社の都合がつき次第、導入の手続きをさせていただきます」

「わかったよ」

あまりにもあっさりと獲得の約束を取り付けることが出来たため、少し拍子ぬけしましたが、結果は結果です。しかも結構売り上げの立つ商品だったため、この一件のおかげで自分の成績も社内で上位になることが予想できました。しかもこの後にも見込み客のアポイントが控えているのです。

私は少し浮かれました。さっきまでパチンコに行くのをジャマされ、イライラを覚えていたのに手のひらを返したようにウキウキしていました。

「やべぇな。下手したらこれだけで来月トップだよな。ただパンフ置いただけなのに超ラッキーだわ」

良くない結果には必ず「理由」があります。しかし「勝ち」や「良い結果」には理由がなく転がりこんでくることもあるのです。

それをこの時の私はわかっていませんでした。ただ意味もなく転がり込んできた良い結果に感謝もせず浮かれていました。パチンコもそうですが、理由のない勝ちに意味などありません。下手をすれば足許をすくわれる要因になるのです。

車の中で営業内容をメモし会社への報告をまとめていると、洋平からの着信が鳴りました。

「兄貴、おつかれっす!」

「おつかれ」

「こっちそろそろあがります。兄貴どうですか?」

「おれは今、見込み客出来たわ。たぶん来月受注だな」

「まじすかっ!さすが兄貴っす!おれやばいですよ、まだこっちきて見込み客どころかアポも取れてません」

「まぁ焦るなや。おれも手伝うから何とかしようぜ」

「あざっす!で、兄貴夕飯どうします?」

「あ、わりぃ実はこの後18時からもう一件アポあるんだわ。たぶんそこもいけそうだ。だから悪いけど先に上がってくれないか。夕飯先に食ってくれ」

「りょ、了解。兄貴絶好調ですね」

「まぁな」

「じゃあすいません、先にあがります!」

「おう、おつかれ!」

そして、私は18時に約束をした訪問先に向かいます。空をみると夕日が落ちかかり、少しずつ街に明かりが点き始めています。この時私の頭の中にはパチンコのことはありませんでした。

もちろんこの日はパチンコを打ちませんでした。いや「打ちませんでした」ではなく、「打てなかった」だけです。

結果的にパチンコを打てなかったのはチャンスであり、ラッキーだったでしょう。

私の問題はなにも解決していません。そして明後日、その次の日に闇金の支払いがまっています。

私は暗闇の向こうにたたずむさらなる地獄に気付かず、ただただそこに向かって突き進んでいました。

 

31話終了です。

 

パチンコ・パチスロもそうですが、思いもかけず良い結果が訪れることがあります。この時にその良い結果がなぜ自分に訪れたのか、良い結果は自分のやってきた行動の結果でそうなったかなど、意味を考えなければいけません。

そうでなければ驕りがでます。自分の実力だと勘違いしてしまうのです。偶然訪れた良い結果には、ピタッと悪い結果が張り付いていることがあることに気付かなければいけません。

この時の私は何も考えずただ、浮かれていました。

負けや良くないことには必ず原因がありますが、勝ちや良い結果にも意味や原因を持たせなければなりません。

私がこのことに気付いたのは、ずーっと先の話です。

 

まだまだ続きます。

32話↓

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