パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話

パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話-33

投稿日:2019年2月18日 更新日:

洋平からの要望で一緒に営業を回ることになった私ですが、昼食をとるために立ち寄ったコンビニで翌日支払いの闇金から電話がきます。出張中のため闇金の事務所まで支払いに行けないため前回と同じく郵便為替で送金する旨を伝えるとそれを闇金側は認めませんでした。

何度お願いしても「ダメだ払いに来い」の一点張り。ついに私は返す言葉を失います。出張先は闇金の事務所まで車で約2時間半。私はこのピンチにどのような行動をとったのでしょうか。そして無理難題を押し付ける闇金側の意図は?

※この物語は半分フィクションですが出てくるエピソードは実際に体験したことです。
いやほとんど実話です。
名前や団体名、組織名等は仮名になってます。
読んでいて気分を害したりする場合がありますのでその辺をご了承の上ご覧下さい。

恐怖と緩和

「おい?聞いてんのか?」

「は、はい・・・しかし出張中でそちらに行けません。すいません・・・」

「郵便為替はダメだ。来い」

「い、いや、あのう・・・前回はよかったじゃないですか・・・」

「本来ウチは送金での支払いは認めてないんだ。だから来い」

「そ、そんな・・・」

「何時に来るんだ?」

闇金側は郵便為替での送金を認めませんでした。ほとんどの場合、闇金から借金をしてジャンプするような人は、相当追い込まれています。しかも法外でとてつもない金利を押し付けられても借金を平気でする人間です。自分でいうのもなんですが相当ネジがぶっ飛んでいるか、頭が悪い人間なのです。こんな債務者を相手にしなければいけない闇金は、ある意味債務者をコントロールする必要が出てきます。一番効果がある方法は恐怖と緩和です。

「い、いやその・・・」

「で?どれだけ返済するんだ」

「すいません。ジャンプで・・・」

完全に私は闇金に飲み込まれていました。正直すぐにでも全額返済して断ち切りたい気持ちでいっぱいでしたが、その翌日にはもう2件の闇金の支払いが控えています。私の手持ちではジャンプするのが精一杯でした。

「わかった。じゃあ社長に聞いてやる。夕方までに電話よこせ」

「は、はいわかりました。すいません」

完全に術中にはまりました。よくよく考えてみればとても理不尽です。私はお金を返すと言っています。しかし事務所に行けないので送金させてほしいとお願いしました。それを認めないというのです。闇金は無茶苦茶なことを要求していますが、恐怖に包まれた私はそれに気付きませんでした。お金を借りている側という立場の弱さと闇金のもつ怖いイメージが正常な判断を失わせました。その証拠に郵便為替での送金を認めないという要求を特別に認めてくれるような言葉に感謝すら覚えていました。それと同時に「じゃあ社長に聞いてやる」という言葉に、私は勝手に電話口の男より怖い人間を想像し、勝手に恐怖を感じていました。

電話を切り、少し安堵したのと同時にさらに倍増した恐怖が私を包みました。そしてさっきの電話口の男の一言がわずかな救いの声のように感じています。当然ですが救いでもなんでもありません。

そのまま車の中で洋平と昼食をすませ、午後からも二人で営業にまわっていましたが、私はほとんど上の空でした。

気がつくと時計の針は17時を過ぎています。

「兄貴、今日一日まわって自分どうでしたか?どこかまずい所とか教えて下さい」

「お、おう・・・。特にまずい所はなかったぞ。今日の感じで行けば大丈夫だ。タイミングさえ良ければ必ず受注につながるよ」

「は、はい・・・」

「大丈夫だよ。万が一この出張で結果が出なくても、ちゃんと剣崎課長にはオレがフォローするから」

「おねがいしますよ~マジで・・・」

「わかったよ。で、今日は飯どうする?」

「あ、この間のスーパーの弁当どうですか?そろそろ半額になる時間です」

「おう、そうだな今日はそうするかっ」

その後、スーパーに向かいました。その車中ではたわいもない話をしていますが、私は再び恐怖を感じ、上の空です。闇金に電話をしなければいけません。

「兄貴、着きましたよー」

「あ、あぁわりぃ洋平、スマンがオレの分も買ってきてくれないか、ちょっと電話したいんだ」

「あ、マジすか了解です。弁当どんなのがいいですか?」

「あ、なんでもいいや、洋平にまかせる」

洋平がスーパーの店内に入るのを見届けた後、私は携帯電話を持ち闇金のダイヤルを押しました。

幻の救世主

小刻みに携帯電話が震えています。闇金に電話をかけたくない気持ちでいっぱいでしたが、私に電話をかけないという選択肢はありませんでした。

もし、明日、闇金の事務所に返済金を持参しなければいけないことになったら、仕事を途中で切り上げて2時間半の距離を戻らなくてはいけません。しかし最初に郵便為替での送金を頑なに認めなかった相手は、闇金の社長に頼んでくれると言いました。

恐怖で冷静さを失っている私は、「本当は認められていない送金を頼んでくれている」と勘違いし、とても変な感覚ですが感謝の気持ちが芽生えています。

「はい、地獄金融」

「あ、あべと申します。明日の返済の件で今日電話するように言われていました」

「あべさんね。ちょっとまって」

電話に出た男はいつもとは違う男でしたが、低い声でぶっきらぼうに話すその声は、私に恐怖を感じさせるのに十分でした。

「あ、もしもしあべさん?」

いつもの男が出ました。再び全身に恐怖が走ります。

「は、はい・・・」

「社長に頼んだんだけどな」

「はい・・・」

「今回は特別に郵便為替でいいことになったわ」

「ほ、ほんとうですか!ありがとうございます!」

「あべさん、ちゃんと返してくれているし、特別だからな」

「はいっ、すいません」

「だけど、本当にきちんと返せよ。裏切るなよ絶対に。オレの顔つぶしたらとことんやるからな」

「はい!」

「で、何時に郵便局いけるんだ?」

「朝一ですぐに行きます!」

「わかった。送ったらすぐに電話よこせ」

「はいわかりました」

怖いと思っていたいつもの闇金の男を良い人と思ってしまいました。この男は私のために本来認められないはずの郵便為替の送金を、社長に頼みこんでくれたのです。

私のピンチを救ってくれたと思い込まされました。

もちろんこの男は私のピンチを救ったわけではないですし、良い人ではありません。しかし私はなぜかこの男を良い人と勘違いしピンチを救ってくれた救世主のように感じていました。

ウィークリーマンションに戻り会社に業務連絡を済ませて、洋平と夕食をとっています。この時私は、さっきまでの恐怖から解放され少し上機嫌になっていました。

この時パチンコのことも頭にありません。それよりも恐怖の対象だった闇金が私の為に動いてくれたような気がして、自分の理解者になった気がして救世主のように感じ、そのことがとても嬉しくて私を満足させています。

そんなおかしな間違っている感覚をその時の私はまともな感覚だと思っていました。

しかしそれは幻です。この闇金は救世主の皮を被った悪魔でした。そのことをこの後イヤというほど思い知らされます。

この日は早めに布団に入りミィにメールを打ちました。考えてみると自分からミィにメールを打ったのは久しぶりのことでした。

「後、4日で戻れる。もう少しだな」

すぐに返信が来ます。

「いやーん、まさくんからメールするなんてめずらしい(笑)なんかいいことあったの?早く会いたーい」

「おれもだよ」

「まってるわ。おやすみ」

「おやすみ」

私がミィに優しくなれるのはこんな時だけです。

 

33話終了です。

 

改めてですが、闇金は普通にお金を借りられない人を相手にしています。それも10日で5割というとても法外な金利です。それでも借りるのですから少し悪い言い方ですが、まともな判断が出来ない人で、普通の人ではありません。当然ですが闇金も商売です。出来るだけ多く貸し付け、確実に回収しなければいけないのです。そうなると普通ではない狂人ともいえる債務者をコントロールしなければいけないのです。すぐに返済されたり、逆に逃げられてしまっては当然ですが儲からなくなります。

一人の人間を一番手っ取り早くコントロールするための方法は「恐怖」と「緩和」です。徹底的に恐怖心を植え付け、そしてお前は特別だと優しくする。そして再び恐怖へ・・・。

ヤ○ザはよくこの方法を使いますし、DVの男性から逃れられない女性もこういった心理状態がとても大きいはずです。あ、ダメですよ絶対に悪用厳禁です。

私は完全に闇金の術中にはまり、この後さらに大きな恐怖と絶望を感じることになります。

 

まだまだ続きます。

34話↓

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