パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話

パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話-35

投稿日:2019年3月8日 更新日:

闇金の支払いを済ませた後、お金が無くなっていく恐怖を打ち消す為にパチスロを打つ私でしたが、2千円を投資したところで、翌日に支払い予定の闇金からの連絡で打つのをやめてしまいます。結果的にはツイている?ともいえますが、翌日の支払いが完了するとお金はほとんど残らず、そのことにさらなる絶望を感じるのでした。

※この物語は半分フィクションですが出てくるエピソードは実際に体験したことです。
いやほとんど実話です。
名前や団体名、組織名等は仮名になってます。
読んでいて気分を害したりする場合がありますのでその辺をご了承の上ご覧下さい。

不快な渇き

「あ、もしもしリッチファイナンスです」

私に営業電話をかけてきた、振込みの闇金でした。

「あ、は、はいどうも・・・」

「あべさん明日支払いだから」

「はい」

「何時に振り込むの?」

「午前中に振込みます」

「いくら入れるんだ?」

「あ、あの1万5千円で・・・」

「わかった。じゃぁ、振込先言うから控えて」

「はい、ちょっと待って下さい」

当時の振込みで貸し付ける闇金は、足がつかないよう毎回、違う振込み口座を指定してきました。当然、違法の金融業者ですので、万が一口座を凍結されるリスクを考えてということもあると思います。またこういった闇金業者に口座を売買することも問題になっていました。

「すいません、どうぞ」

「○△×□銀行○○支店、口座番号は1234-・・・」

「はいわかりました」

「振り込んだら、必ず連絡して」

「はい」

他の2件と比べると威圧的な声だったり、態度はありませんでしたが、支払いを済ませると財布の中には2千円しか残らない現実を想像し、さらに絶望的な気持ちになります。

私は、闇金から借金をしてしまったことを心底、後悔しました。そして改めてもう絶対にどうにも出来ないところまできていると感じました。

体から全ての力がなくなり、考えることも出来ない感じです。いつもならお金が手元からなくなる危機感を感じると、どんなにピンチでもその危機感を掻き消す為にパチンコ・パチスロを打ってきましたが、今回は打つ気になれませんでした。

パチンコを打つ衝動を、たった2日で4万5千円失う絶望が勝ってしまったのです。しかも私の問題は何も解決せず、このままジャンプを繰り返せばこの絶望が10日1回訪れるのです。

どうすればよいのかわかりませんでした。解決できる方法がなにも浮かびません。大きな絶望は私の全身を支配し、私から考える能力を奪いました。

そして考えることが出来なくなると、今度は不安が襲ってきました。全ての力を奪われた私はこの不安から逃れようともできません。何も出来ずにいるとその不安は大きな渦となり、私をすっぽりと飲み込んでいきます。

その大きな渦に飲み込まれていき、もう自分がなくなっていくような感覚に陥りそこから意識がスーッと小さくなりました。

 

気がつくと時計は15時を指しています。パチンコ屋の駐車場で寝てしまったようです。車に入る日差しは強く、全身には汗をかいていました。

「うわ・・・。寝てしまったのか、熱いな・・・」

車内の温度でぬるくなってしまった、ペットボトルのお茶を一気飲みし、乾いた喉を潤します。寝て起きてもさっきまでの絶望と不安は体から消えず、脱力感は続いていました。

「だめだ・・・。今日はもう戻ろう・・・」

私は駐車場から車を走らせ、ウィークリーマンションに向かいました。とても仕事ができる状態ではありませんでした。

部屋に戻るとすぐにスーツを脱ぎ、布団にもぐりこみました。脱力感は消えず考えることもできません。

「なんでこうなったんだろう・・・」

考えても頭は働いてくれませんでした。絶望と恐怖が全てをシャットアウトします。

改めて眠りにつこうと、目を閉じると涙が溢れてきます。

そして無意識の内に携帯電話のメモ帳を開き文字を打ち込みました。

”おれはこのさき、どうなってしまうんだろう”

全てを奪われた私が何かを残そうとして出来た唯一の抵抗でした。

歪み

目を覚ますと、目の前に洋平が居て心配そうに私をのぞいています。

「あ、兄貴大丈夫ですか?電話しても出ないからなんかあったかと・・・」

「あ、わりい・・・大丈夫だ」

「急にどうしたんすか」

「なんか急に目まいしてな、ちょっと疲れてるのかもしれん」

「マジすか、飯食えますか?なんか買ってきます」

「おう・・・すまんな」

「なにがいいスか?」

「あ、なんか麺類でたのむわ、そばとかうどんでいいや」

「わかりました。ちょっと待ってて下さい」

洋平が出て行った後、布団から起き上がり水を飲み干しました。少しだけ元に戻った気はしましたが、相変わらず脱力感は残ったままです。

少しするとまた不安や恐怖が襲ってきますが、私は何も考えないないようにしました。今の私ができる唯一の抵抗です。

少しすると洋平が戻ってきます。

「兄貴、そばでいいすか、あともし食べれるんだったらおにぎりも。あとユンケル」

洋平は優しいやつでした。なぜ、こんな私を慕ってくれていたかわかりません。

容器のふたを開け、めんつゆ入れ、具をのせるといっきに流し込みました。気がつくと、おにぎりも頬張っています。

少しだけ体に力が戻ってきました。しかし力が戻ってくると、また不安と恐怖が襲ってきて訳のわからない状態になっていきます。

「洋平、いくらだ?」

「あ、イイすよ、おごります。同行してくれたお礼です」

「そうか、ありりがとう」

私は素直に洋平の好意に甘えました。プライドを保つ力は残っていません。

そしてふとんにもぐるとすぐに眠りにつきました。

朝、起きると8時半を回っていました。外を見ると灰色の雲が空を覆っています。洋平すでにいませんでした。

とりあえずシャワーを浴び、急いで着替えて郵便局に向います。送金を済ませるとすぐに銀行に向かいました。

振込みが終わり、改めて財布を見ると残っているお金は千円札が2枚と、小銭が少しです。

改めてその現実に深いため息をつき、携帯電話を開きます。

「はい、希望ファイナンス」

いつもとは違う男が出ました。

「もしもし、あべと申します。今、郵便為替で送金しました」

「あべさん?・・・郵便為替で入金な。担当今手が離せないから言っておく」

「はい。失礼します」

電話を切り、もう一件の闇金に電話をします。

「はい、リッチファイナンス」

「もしもし、あべといいます。先ほど昨日言われた口座に振り込みました」

「はい、わかりました。確認します。ではまた10日後に」

言葉遣いは普通でしたが、明らかに普通ではない言葉の質に改めて恐怖しました。

「はい、わかりました。失礼します」

 

さっきまで入っていたお金がほとんど消えてしまい、全てが奪われた気持ちになっています。不快な脱力感に抵抗しようにも力が残っておらず、どうすることもできません。

この現状を何とかしようと何とか思考を振り絞りました。しかし、どう考えてもすでに破綻しています。払っていない家賃、未払いの電気代などの生活費、消費者金融の支払い、そして闇金の借金。どう考えても助かりません。何かを支払えば、何かが支払えなくなります。

唯一の救いは、次の闇金の支払いの前に給料が入ることです。しかしジャンプすれば現状は変わりません。いや変わらないのではなく酷くなっていくのです。

 

フロントガラスを見ると大粒の雨が周りの風景を歪めています。同じように私の頭の中も歪んでいます。どうにかしなければ自分は終わってしまう。この思いだけがはっきりとしていて、どうすればいいか、何をすればいいかは雨粒のあたったガラス越しに見える風景のように歪んでいました。

 

携帯電話のメールの着信音がなります。

「まさくん。もう少しで出張終わるね。そしたら会えるね、たのしみー!」

私は返信せずに携帯電話を閉じ助手席に放り投げました。

彼女に優しい気持ちになれる私はいません。

 

35話終了です。

 

現実から目をそらし続けた結果、このような状態になってしまいました。皮肉にも一番問題の闇金に現実を突きつけられて気付いてしまいます。もう完全に終わっていますね。

幸いなのは?あまりにもの絶望にパチンコ・パチスロが頭のなかから消えたことです。この時の私はとにかく「この苦しみから逃れたい」「助かりたい」の一心でした。だけど助かる方法は思いつきません。逃げたくても足を掴まれてその場から動けないという感じです。

しかし私はパチンコ依存症・パチスロ依存症です。これで地獄の苦しみが終わるはずがありません。

 

まだまだ続きます。

36話↓

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