パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話

パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話-38

投稿日:2019年3月31日 更新日:

どうにもならない状況の中、彼女の優しさを感じ、失いたくないと思い、どうにもならない状況の原因と考えた闇金を何とかしようと決意しました。しかし問題は闇金ばかりではありません。もっとも奥にある一番の原因は、私がパチンコ依存症・パチスロ依存症ということでした。それに気付いていない私は、さらにここから地獄を見ることになっていきます。

※この物語は半分フィクションですが出てくるエピソードは実際に体験したことです。
いやほとんど実話です。
名前や団体名、組織名等は仮名になってます。
読んでいて気分を害したりする場合がありますのでその辺をご了承の上ご覧下さい。

安心と不安

私は、闇金にターゲットを絞りました。他の支払いのことも、もちろん気になっていますが、闇金をどうにかしないことには、生活がままなりません。

闇金の利息は10日ごとに4万5千円支払わなければならず、30日で考えると13万5千円です。元金が残っているうちは、延々とこの金額を支払い続けなければいけません。

2日後に来る給料でまずこれをなくそうと考えました。消費者金融の支払いを除き、他の支払いはその後、考えようと思いました。

幸いに食事に関しては、ミィが多めに作ってくれたカレーと、二人で買い物にいった時にこっそりかごに忍ばせた冷凍食品で食いつなぐことができます。

給料日まで財布にほとんどお金が入っていない状態でも、精神を何とか保てたのは、ミィのおかげでもあったのです。この時私はこれに気付いていませんでした。

食べることが出来るのというのは、意識的でも無意識でもそれは安心感に繋がります。このおかげで絶望の中でも何とかしようと、精神を保つことが出来ました。

給料日までの期間は、営業で出た時に、昼食がとれなくても、コンビニで御茶やタバコが買えなくても、自宅に帰れば食べるものがある安心感が、絶望を希望に変える力になっていたのです。

そしてなんと言っても、ミィの優しさや強さ、明るさを失いたくない気持ちが、つらい気持ちの状況に耐える、一筋の光になっています。

ミィのいない部屋の中でぼんやり考えます。

「いつからこんなふうになってしまったのだろう」

「なんでこんな思いをしなければいけないのだろう」

「パチンコはなぜやめられないのだろう」

「ミィが本当のオレの状況を知ったらオレを変わらず好きでいてくれるだろうか」

「なぜ、オレはパチンコに勝てないのだろう」

「今まででいくら負けたのだろう」

「もし、パチンコをやっていなかったらどんな人生だったろう」

「なぜ、おれはお金ないんだろう」

「来月家賃を払わなかったら、部屋追い出されるだろうか」

「携帯払えないから止まるな・・・ミィとどうやって連絡すればいいんだろう」

「電気も止まるかもしれない、水道もだ、ガスもだ」

「来月、どうやってご飯食べようか」

「あ、洋平にも2万円返さなきゃいけない。どうしよう」

「ミィにも3万円・・・」

解決できない、そして答えでない疑問が頭の中を駆け巡り、それが不安に変わって私の全身を支配し始めました。

それは、どんなに振り払っても、振りほどけず、べったりと私に張り付いています。

私はこの不安から逃げたくてしょうがありませんでした。こんな自分が許せなくなってきます。こんな時小さな吹き飛びそうなプライドが、足かせのように私を動けなくしています。

自分の弱さやだらしなさを感じ、情けない気持ちになってきます。

私は自分で自分のことをもっと凄い人間だと思っていました。しかしその思いと現実とのギャップがどんどん私を締め付けていきます。私は現実を受け止められなくなってきました。

自分はこんな人間ではないはずです。こんな弱い男ではないはずです。

そう思えば思うほど、現実の状況の前では、全く無力な自分を感じます。

闇金の借金を全て返済したところで、その向こうには問題が山積みです。もう苦しみからは逃げられない気がします。この苦しみがこの先ずっと永遠に続くような気がしました。

カーテンの隙間から近所のマンションや家の部屋の明かりが目に入ります。

今、明かりが点いている家は、きっと闇金から借金などせず、幸せなんだろうなと考えました。少なくても私より不幸な家庭はどこにもないだろうと考えます。

眠りに着く前に、思ってもいないことが頭に浮かんできました。

「闇金、支払わなかったらどうなるんだろう・・・・」

隙間の光

絶望と希望が入り混じった気持ちの中、給料日を迎えました。まずは闇金を全て支払おうと思っていましたが、他の支払いや借金のことも考えてしまいその気持ちが揺らいでいます。

「どうしよう・・・やっぱり1社だけ完済して他の2社はジャンプしようかな・・・」

あれほどまでにまずは闇金の借金をなくそうと思っていましたが、その決心は少し揺らいでいました。

確かに私の問題は、闇金だけではないのです。闇金を完済したところで他の支払いも私を苦しめる原因として十分でした。

しかし闇金の借金を少しでも残すと、その膨大な金利により、悪い状況にどんどん進んでいくのは明らかでした。

「ホントにどうすればいいんだろう・・・」

答えのでない問題を考え、私の心はさらに深く沈んできます。

こんなに不安な給料日は、初めてのことです。

会社に着き営業に出る準備をしていると洋平が、近づいてきました。

「兄貴、おはようございまっす!」

「お、おうおはよう」

私は反射的に洋平を避けたい気持ちになります。洋平には2万円返済しなければなりません。出来ることならば今月は待って欲しい気持ちです。

洋平はそのまま営業に出ていきました。そのことに何だか安心してしまいます。私はビクビクしていました。「あ、兄貴今日お金返してもらっていいですか?」と聞かれると思ったからです。聞かれようが聞かれまいが返さなければなりませんが、聞かれると2万円少なくなると考えてしまいました。完全に私はどうすることもできない状況の中で冷静な判断が出来なくなっています。

会社をでて営業を回っていると携帯電話がなります。闇金からの電話でした。

「もしもし、あべです」

「地獄ファイナンスです」

「は、はい」

「あべさん、明日支払日だ、何時に来るんだ?」

「あ、午前中に行きます・・・」

いつもの低い声に、ずっと私に張り付いている恐怖と不安がまた全身を駆け巡りました。すでに拒否反応をおこしています。他の借金や支払いのことはこの時、全て吹き飛びました。これを何とかしないと逃れることは出来ないと感じました。

「そうか、で明日はいくら払うんだ?ジャンプか?」

「い、いえ、あ、あの元金も含めて全てお支払いします」

「そうか。わかった。じゃあ明日」

それまで、他の支払いのことを考え闇金の支払いをどうしようか悩んでいましたが、電話の声を聞いてそれは全て吹き飛びました。やはり闇金をどうにかしないことには、私の恐怖は消えません。

営業が一段落着いて昼になりました。銀行へ行き給料を全部引き出します。そして消費者金融をすべてまわり、支払いを済ませました。当然、返してすぐに限度額いっぱいまで引き出します。

そうすると残金は18万6千円。このお金も闇金を返済するとほとんど残らないことに改めて絶望を感じます。そして他の支払いが出来ないことに驚愕しました。

しかし今の自分は闇金に対しての恐怖感が全身を支配しています。他のことよりもまずは恐怖の元である闇金をなくそうという気持ちでいっぱいになっています。

その日の営業が終わり、会社に戻ると同じタイミングで洋平も戻ってきます。

「兄貴、おつかれっす」

「おう、お疲れ」

「兄貴、すいやせん・・・お金返してもらってもイイすか?今日忙しくて給料下ろせなくて」

「お、おう・・・じゃあこれ2万円。ありがとな」

「いえいえ」

残金はこれで16万6千円。お金が減っていくとさらに不安が大きくなります。

不安の中、営業日報を処理していると、ここで少しだけパチンコのことが頭をよぎります。

パチンコ依存症の私が求めているのは安心感です。

そこに剣崎課長が近寄ってきました。

「あべ君、今日この後、少しいいかな?出張の見込み客の2社のこととか打ち合わせしよう」

「はい、わかりました」

打ち合わせが終わると時計の針は21時を過ぎています。

「あべくん頼むよ。先月も数字があまりよろしくない。この見込み客は必ず獲得したいんだ」

「はい、大丈夫です。必ず獲得します」

剣崎課長はとても厳しい上司でした。理不尽に怒ったりする事はありませんでしたが、仕事のことになると一切の妥協を許しません。そんな剣崎課長を毛嫌いする人間は多かったです。洋平なんか、話かけられるのも怖がっていました。が、私はその緊張感が好きでした。営業のイロハが身についたのはこの人のおかげでもあります。

「課長、そういえば今日は電車通勤ですか?」

「そうなんだよ。車、修理上がってくるのが来週なんだ」

「よろしければ、お送りします」

「いいのか?私の家は、あべ君の家と逆だぞ」

「あ、はい大丈夫です」

「じゃあ御願いするよ」

剣崎課長を送り、時計を見ると22時です。さすがにこの時間からはパチンコには行きたいと思いませんでした。

剣崎課長との緊張時間が私の不安と恐怖をなくしてくれました。一瞬だけよぎったパチンコのことを掻き消すことができたのです。

私は改めて、今ある問題をどうにかしようと考えました。

しかし、私はパチンコ依存症・パチスロ依存症です。今日の私はパチンコに行かなかったのではなく、剣崎課長のおかげで行けなかったのです。

これに気付いていない私は、苦しみから抜け出すことは出来ません。

 

38話終了です。

 

剣崎課長とのうち合わせがあり、一瞬の隙を突いて生まれたパチンコ依存症の症状を偶然にも抑えることが出来ました。しかし書いた通り、パチンコを打たなかったのではなく、打てなかったのです。これには大きな違いがあります。それはそこに自分の「意志」が存在するかしないかです。

意志が存在しなければ、その時助かっても、すぐにまた支配されるのです。パチンコ依存症のやっかいさや恐ろしさはそこにあります。

とにもかくにも、翌日は闇金の支払いです。そしてその翌日にも2件の闇金の支払いが控えています。他の支払いもたくさん残っています。

現在でも当時を思い出すと胸が苦しくなりますね。

 

まだまだ続きます。

39話↓

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