闇金融への返済75,000円をするために勝負に出た私ですが、1,500枚ほどあったコインも300枚ちょっとに減らしてしまいます。 手持ちの残り金額は26,000円
さあここからどのような立ち回りを見せるのでしょうか。
これが依存症の立ち回り
下皿にある約300枚のコインを箱に移し良い台がないか店内を回ります。
イベントということもありほぼ満席の状態です。
ここで勝ちに徹するなら打たずに我慢し良い台が空くまで待つのがセオリーですが1,500枚ほどあったコインを一気に失った自分はそれを早く取り戻したくこの時すでに冷静さを失っています 。
10分15分と店内を歩いていてもなかなか台は空かないのです。
こうなると勝つというよりも、「早くパチスロを打ちたい」に思考が切り替わります。
そしてそこで台が空きます。
1000枚ちょっと出した後に100ゲームほど回してやめた北斗の拳でした。
「チェリー一回ひければ大丈夫」
何の根拠もありません・・・。
当然手持ちのコインと残金で天井にも届かず、当りなしで終了も考えられます。
しいていえばイベント日なのでもしかすると設定には期待できるかもしれない程度です。
しかし何の迷いもなくその台に座りコインを下皿に移しました。
そして手持ちのコインも尽きそうな時にやっと
中段チェリーゲットです。
しかし当りはきません・・・。
その後からは追加投資が始まります。
1,000円
2,000円
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10,000円
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気がつくと残金は12,000円です。
この辺りから負けが怖くなってきます。
「早く当たりがほしい」そのことだけに頭が支配されている感じです。
そしてやっと
「たのむ来てくれ・・」
ちなみに4号機北斗の拳は低確率時にチェリーを引くとその25%が大当たりになります。(たしか・・・?)
そしてラオウステージへ移行し数ゲーム後・・・。
「っしゃあーーっ」
一回当たっただけで勝てているわけではありません。
むしろ状況は悪くなっているのに・・・。
パチンコ・パチスロ依存症はこうして作られていくのでしょう。
最初は勝ちたくて打っているわけです。
そして私は最初1,500枚程コインを増やしました。
その後128ゲームの連チャンゾーンを抜けた後、ヤメ時を失い約300枚にコインを減らしました。
この時点でもプラスなのに1,500枚あったコインを失って冷静に考えることができなくなっています
しかも何の根拠もない台に座り持ちメダルをすべて飲まれ追加投資までしています。
これが、パチンコ・パチスロ依存症の立ち回りです。
そしてラオウとの対決は!?
ケンシロウは立ち上がりませんでした。
単発です。
手元には100枚ちょっとのコインしか残っていません。
そのコインもあっさり飲まれ追加投資。
もちろん当たらず残金が3,000円までになってしまいました。
ここで普通は終了です(いや、もっと前に終了ですが・・・。)
がしかし、ここでもまだ打ちます。
最後に選んだ台は、ファインプレーという羽物です。
さすがに3000円ではスロット打つ気にはなれず少しでも当たる可能性が高い機種をと羽物を選びました。
ここで逆転ホームランといきたいところですが案の定あっさり当りなしでフィニッシュ。
時間は16時くらいです。
49,000円はすべて消えました。
財布には小銭しか残っていません。
台を後にし、店を出て帰りの道中やっと冷静に考えることができます。
「1500枚出た時点で交換していれば・・」
「キングパルサー続けていれば出たかもしれない」
「下皿分だけでも交換すれば少しは勝っていて明日以降につなげれた」
「北斗に座らなければ・・」
「最後羽根物打たなかったらせめて飯代は残っていた・・」
ほんと、いつもの決め台詞です。「~たら」「~れば」
そしてここでもっと重要なことを頭に思い浮かべます。
「闇金の支払いどうしよう・・・。」
笑顔の奥の悲しさと強さと
家に着きパチンコ・パチスロで負けた悔しさと行き場のない苛立ちが渦巻きます。
一時間ほど何もせずダークな気持ちのままいると少し気分が落ち着いてきました。
そしていやがおうでも闇金の支払いの事が襲ってきます。
苛立ちと恐怖でどうしようもない気持ちのまま携帯を手に取りました。
「仕事、予定より早く終わった。家にいる」
彼女にメールです。
5分もしないうちに返信がありました。
「マジっ!帰り寄るよー♪」
行き場のない気持ちをどうにかしたくてメールしただけでした。
それなのに彼女は無邪気です。
会えないと思っていたのに会える。
ただ、それだけで喜んでいました。
なのにそんな無邪気さにも苛立っていました。
「俺はこんなにやばい状況で苦しんでるのになに喜んでるんだコイツはおかしいんじゃないか」
おかしいのはあきらかに自分の方です。
情けない自分に苛立っている事から逃げたくてその代わりに彼女に苛立っていました。
そして苦しみから逃れるために彼女を利用しようと決意します。
ピンポーン
「やっほーっ^^仕事早かったね。よかった」
「鍵もってるんだから自分で開けろよ」
「いいじゃん!出迎えてほしいじゃん!」
「何か食べる?ってか買って来た。鍋しよっ笑」
「お、おう」
「疲れたの?元気ないね。」
「あ、うん・・・」
「ま、後で聞く。まずは準備するね」
彼女は笑顔を見せて鍋の準備を始めます。
そんな混じりけのない笑顔で少しだけ自分は普通にもどり空腹を感じますが、やばい状況がまた自分の体を支配します。
このあと給料日までお金がない事、闇金の支払いが9日後に迫っている事。
特に初めて闇金に手をだした自分は「返済できなかった時にどうなるんだろう」という恐怖をどうにかしたくて、いたたまれない状態になっていました。
「早くこんな気分から抜け出したい」
そしてそんな自分を何もしらないまま受け止めようとしている彼女を見て罪の意識が少し芽生えてきます。
「こんな俺なのに申し訳ないな・・・」
ここで気持ちを改め彼女に打ち明けて再出発すればどうにかなったかもしれません。
しかし、すぐに気持ちはこう変わります。
「こいつは何もわかってない。彼氏が苦しんでるのに察しろや」
わかっていないのは自分です。
当たり前ですが彼女は何も悪くありません。
ただ、大好きな人といっしょに過ごす時間を精一杯楽しんでいるだけです。
パチンコ・パチスロ依存症の自分は受け止める事ができずに、こともあろうにそれを彼女のせいにしています。
「おいしい?」
「うん」
「そういえばさぁ佐々木さんいるしょ?」
「あぁ」
「結婚するんだって超びっくりじゃん」
「そうなんだ」
自分は彼女が「何かあったの?」と聞いてくるのを待っていました。
彼女の事を利用しようという罪の意識を少しでも軽くしたいという心理があったからです。
逃げたかったんです。
もちろん彼女もいやな空気は察して必死に笑顔を作り何とかしようとしていました。
この時彼女が求めていたのは特別な何かではありません。
いつも通りの穏やかな時間です。
彼女はこっちの気持ちを察し、あえて「なにかあったの?」とは聞いてきませんでした。
彼女と自分の空間によどんだ空気が流れます。
そして鍋を食べ終わり片付けが済んだ後も彼女は「なにかあったの?」と聞いてきません。
彼女は楽しく話していますが、こちらは複雑な気持ちのまま時はどんどん進んでいきます。
そしてよどんだ空気を断ち切るように、耐え切れなくなった私が口を開きます。
「あのさ・・・。」
第4話はここまでです。
当時の事を思いだしながら書いていますが、ホント最低ですね・・・。
もちろん多少、変えてますが物語の内容はほぼ事実です。
今後も物語は進めていきますが、反面教師として読んでいただけたらと思います。
ちなみにこれからはもっと最低です。
気分を害された方は申し訳ありませんでした。
でも、今後も書いていきます。
5話↓