パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話

パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話-70

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関口が無断欠勤したことで寝不足になり、その日は朝から取引先のクレーム対応で憔悴しきっていました。そんな時に自分の中に渦巻くダークな感情をコントロール出来なくなっています。こんな時、会社を出てたどり着くのはいつもの場所です。

※この物語は半分フィクションですが出てくるエピソードは実際に体験したことです。
いやほとんど実話です。
名前や団体名、組織名等は仮名になってます。
読んでいて気分を害したりする場合がありますのでその辺をご了承の上ご覧下さい。

オカルト

店内に入り”早く打ちたい”という衝動を抑えきれない私は、島の状況を確認せずまっすぐにパチスロの島に向かいます。

座った台は北斗の拳です、座ってからデータランプを確認すると今日の当りは、わずか1回。大当たり後300ゲームほど回されている台でした。

サンドにお金を入れる前に財布の中身を確認すると3万2千円。しかし残金のことはあまり気になりません。それよりも「早く打ちたい、早くボーナスを消化したい」という衝動が体に渦巻いています。

私はすぐに、札をいれコインを台に投入してレバーを叩きました。

お金はどんどん吸い込まれていきます。しかし当選契機であるチェリーはおろか、それっぽい演出もほとんど起きません。

「な、何なんだよコレ・・・」

8千円ほど投入し、コインが全て飲まれた時、私にしては珍しく手が止まります。いつもなら当るまでツッコみますが、なぜかそんな気になれませんでした。

この日はとにかく、「当てたい」という気持ちが大きくなっています。「勝ちたい」「勝てる」という気持ちではなく、早く「当てたい」「連チャンしたい」という気持ちです。

関口のサボりで始まったイヤな流れを、どうにかして払拭したい気持ちでいっぱいでした。あたり前ですがこれを、パチンコ・パチスロに求めるのは間違っています。

ボーナスを全く期待させない台に、私は見切りをつけ席を立ちます。とにかく大当たりに近い台を探すために島を見渡しました。

そこで私は初めてほとんど客がいないことに気付きます。

「なんだよ今日、全然出てないし、客いねぇじゃん・・・」

冷静に考えればここで撤退ですが、パチンコ依存症・パチスロ依存症の私はそんなことができるわけありません。

こんな店内状況でも、打つ台を探し始めました。

探した、というより頭の中で打てる言い訳をつけて座れる台に座るだけです。

一応、パチスロの島は1週しましたが、目立って当りの多い台や、多く回されている台はありませんでした。

いつも打っているキングパルサーも同じです。

私は、パチスロを諦めパチンコの島に向かいました。しかし状況は同じく、客はまばらであまり回されていません。データ機をみると大当たり回数が0回で100回も回されていない台もある始末です。

唯一、海物語だけが、そこそこ客つきもあり、出玉があるようでした。

おそらく、近隣の店で新台入れ替えかイベントで出しているのでしょう。そのためこの店はこのような状態ということは、パチンコ依存症・パチスロ依存症の私でもすぐに判断できます。

となれば、余計にこの店は撤退して今日のところは打たないか、近隣店に移動するのが得策です。

しかし、私がとった行動は、海物語の島で打てそうな台を物色することでした。

そこで、時短抜けで席を立つ台が目に入ります。丁度ドル箱を2箱もってやめたところでした。

見ると大当たり回数18回。2連チャンで止めたようです。グラフを見るとその前に700回転以上ハマっています。

「よしっこれだ。ハマった後、ショボ連した後は早い回数で初当りが来るっ」

もちろん単なるオカルトで、なんの根拠もありません。

早速台に座り、現金を投入しスタートです。すると開始10回転目、タコとカニのダブルテンパイです。

「リーーチッ!」

そしてさらに、魚群が画面を横切ります。

「よしっ、確変もらった!」

マリンちゃんが画面上から登場した時、昨日と今日一日の闇が全て晴れる期待でいっぱいになりました。

しかし大当たり期待度が高いリーチ中にも、心の奥で不安が顔を覗こうとしています。私はそれを必死に押さえ込み。無意識の内にボタンを連打しました。

図柄の変動がゆっくりになり、カニの図柄が近づいてきます。

「と、止まれっ!」

心の叫び空しく、無情にもカニの図柄は止まらず過ぎていきました。

「ま、まだだっ!タコで止まる、タコでトマル!!・・・」

この時、私の脳内は今までの闇を全て塞ぎこみ、目の前にある画面の中でタコの図柄が斜めに並ぶことに集中しています。

どんな違和感も、どんな暗闇も一瞬で吹き飛ばすことができる感覚・・・。

パチンコ依存症・パチスロ依存症の私には、この時これが全てです。

「止まれっ!!」

顔では涼しい顔を装いましたが、頭の中では叫び、ハンドルを握る手はびっしりと汗を掻き、全身は興奮で震えています。

ピッ・・・。

「・・・。」

目の前の画面からマリンちゃんが消え、無情にも次の変動が始まっていました。

リバース

ほぼ、手中に収めたと思っていたリーチは外れました。

「ま、マジかよ・・・」

横に流れる、図柄がよけいに空しさを増幅させます。なんだかとてもバカにされたような気持ちになり、怒りが沸いてきました。

「チクショウ、遠隔かよっ!」

連チャン中の後ろの台の音が余計にシャクに触ってきます。

しかし、こうなった私の投資は止まりません。いつもの通り「絶対に勝つ!」の気持ちがよみがえってきました。

しかし、これは無意味です。パチンコは気合を入れたからといって勝てるわけではありません。

気がつくと回転数は600回を超えています。これまでもあざ笑うかのようにリーチは外れました。

投資はさらに止まらず、最後の500円。またお金が無い辛さや闇金の恐怖が頭を横切ります。私はその辛さや恐怖を体や頭を脱力感でいっぱいにすることで自分を無意識の内に防御しました。

私がボロボロの自分を守るため覚えた、処世術の一つです。

そして、当然のように最後の玉が吸い込まれた時、ハンドルを握ったまましばらく画面を見つめます。

動かない図柄が余計に私の中からさらに力を奪い脱力させました。

席を立った私は、改めて札が全てなくなった財布を開きます。綺麗に空になっていました。

「チクショウ・・・」

「ちくしょう・・・」

「・・・」

出口に向かいながら、無意識の内に小銭が入るところのファスナーを空け、いくらあるか確認していました。

「7、8、9、・・・千円ある・・・」

私は方向転換し、景品カウンターに向って歩いていきます。

「あのう・・・すいません」

「はい?」

「これ、千円札に両替してもらえますか」

「はい・・・」

めんどくさそうに硬貨を数える店員を見つめながら待っていると、脱力していた私の体に力がよみがえってきました。

「まだだっ!チャンスはあるっ!!」

千円札を受け取り、羽物の島に足を運びます。

「絶対に取り戻す!」

希望は絶望の中でこそ、光り輝くものです。

しかし、この時輝いた希望は、10分もしない内に暗闇へと変わっていきました。

終了です。

昨日からのネガティブな流れも変えられず、闇の感情を解消できず、お金は全て失い、幕を閉じます。

なにも変えられず、さらに失い、一日が終わりました。

車に乗り込み明るいネオンを見つめながら、しばらく動けません。

「腹減った・・・」

気がつくと、今日一日まともな食事をしていませんでした。

だけどお金はありません。

「なんでだよ・・・」

パチンコ屋に悪態をつく元気も残っていません。とりあえず何も考えないようにし、いつもの公園に向かいます。

駐車場に車を停めると、水のみ場で空腹を満たし、すぐに後部座席に横になりました。

コールタールのような暗い影がさらに自分の中で大きくなり、心と体がさらに重くなっていくの感じます。

曇っていて月明かりも少なく、前日ほとんど寝ていないため、すぐに深い眠りに入ることができたのが唯一の救いでした。

翌日、空腹でフラフラしながら出社します。何もする気は起きません。

しかも仕事は山積みです。それも何も生み出さない仕事というのがさらにモチベーションを奪いました。

相変わらず佐々木さんのことは気になりましたが、2人だけの秘密という雰囲気と空腹と脱力感が合わさり、佐々木さんの方向を見ることはありません。

今回のクレーム処理でしなければいけない項目は、たくさんありますが、まずはベンダーの協力を仰ぎサービスプランの変更とそれに伴う設定の変更やデバイスの変更です。

緊急に行わなければいけない項目ですが、ベンダーの方にも都合があり、すぐにこちらの都合通りにいかないもどかしさがあります。

この辺りの調整を緊急に組むのは至難の技です。しかも出来るだけ穏便に進めないといけません。

私は憂鬱な気持ちと空腹に耐えながら、改めてクレーム元の会社に電話しました。

「アー、アベサン、ドシタノ。オカネハラワナイヨ!!コッチノキボウドオリニシテヨ!!」

「あ、はい。申し訳ありません。それで改めて料金の話や設定の変更についてのスケジュールなどお話させてほしいのですが、本日お時間頂けないでしょうか・・・」

「ワカタヨ!ジャァ、12ジニキテヨ」

「はい。お伺いさせて頂きます・・・」

相手の声を聞き、さらに私の気分は沈んでいきました。

電話を切った後、時計を見ると10時05分。まだ時間はありましたが、無意識に私は席を立ちホワイトボードにある自分の名前のプレートを”外勤”と変え、行き先をカレン製薬と書き込みます。

ビルを出て、少し離れた駐車場まで歩く間に目まいを覚えました。

上手く行かないストレスと空腹と疲れで、体がSOSを発しているのかもしれません。

車に乗り込み、そのまま道行く人を、ただ見つめています。

「腹減った・・・。何か食いたい・・・」

しかしお金はありません。バイトの給料はまだ先で、会社の給料日まではあと5日です。

私は、空腹とこの空虚な気持ちに耐えられなくなってきました。

携帯電話を開きダイヤルします。

コール音が鳴っている間、再び訪れるであろう恐怖と苦しみを予感させ、頭の中に不思議なノイズを奏でました。

「はい、希望ファイナンス」

不思議な感覚です。いつもは恐怖しか感じないその低い男の声が、なぜか優しく耳に響いていました。

 

70話終了です。

 

数日前にせっかく完済した闇金が、また元通りです。私はこのころ、どんなに抜け出そうと思っていても何度も同じ失敗をしていました。一番の元凶はパチンコ・パチスロでしたが、借りに行く時の衝動やきっかけはそればかりではありません。

いや、これもパチンコ・パチスロに行っていなければ、借りる必要のない借金ですが・・・。

 

まだまだ続きます。

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