パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話

パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話-72

投稿日:2019年11月24日 更新日:

さらに闇金への私の借金は、2件で元金3万円ずつあり合わせて6万円。利息は1万5千円ずつで合わせて3万円。元金と利息で合計9万円に戻ってしまいました。唯一の望みは数日後に控えた給料とバイト代ですが、私はどのような行動をとっていくのでしょうか。

※この物語は半分フィクションですが出てくるエピソードは実際に体験したことです。
いやほとんど実話です。
名前や団体名、組織名等は仮名になってます。
読んでいて気分を害したりする場合がありますのでその辺をご了承の上ご覧下さい。

交差

給料日が近いこともあり、お金に対しての不安を完全になくしていました。完全に浮き足立っていたのです。関口がサボらずにバイトに来た翌日、あいもかわらずホールに足を運んでしまいます。

その日は何とか3千円プラスになったものの、翌日は日曜日で会社が休みのため朝から並びに行きました。

仮に今日負けても明日は給料日です。このことが私の中からいつもの危機感を消し、緊張感がほぼなくなっています。

早く打ちたくて並びながら何度も携帯を開き時間を確認しています。

そして開店の時間になり台の前に座ると至福のような感情が全身を包み込み、なんともいえない気持ちよさを感じながらレバーを叩きました。

打ち始めると時間の流れを感じなくなります。無のような境地でストップボタンを押しつづけているとなんともいえない気持ちよさが体を包むのでした。

となりの台が10回目のボーナス告知音を鳴らした時、「ハッ」と我に返ります。

気が付くと結果は散々なもので昼を待たずに残金が5千円になってしまいました。

「や、ヤバイ・・・」

休日ということもあり、店内は混んでいました。おそらくこの時間に空いている台には出玉の期待はできないでしょう。

周りを見ると自分以外の多くの台が出玉を積んでいました。

座っている台は、いつものキングパルサーでしたが、残金では天井には届きません。私は席を立った瞬間に誰かが座り、すぐにボーナスを引かれる予感と戦いながら台を離れます。

残金5千円。

この金額で勝負できるのは、甘デジか羽物です。しかしどの台も満席で座ることが出来ません。

私は”勝ちたい気持ち”と”ただ打ちたい気持ち”が交差し、どうした良いかわからなくなっています。

もし、わたしがパチンコ依存症・パチスロ依存症でなければ、台が空くのを待つか、このまま撤退するのが正解でしょう。

しかし、私はパチンコ依存症・パチスロ依存症です。

台が空くまでじっと我慢することは出来ないですし、負けを認めて撤退することなど、ありえないことでした。

しょうがなくスロットの島に戻ると、ほぼ満席の島から席を立つ人が見えます。急いで近づいた台は”大花火”でした。

ビッグボーナス一回で最大711枚とれるこの台は、一発逆転には最適ですが、最大枚数とるためにはビタの目押しが必要で、目押しが苦手な私はこれまでこの台を避けていました。

しかし他に台も空いておらず、打ちたい衝動が抑えきれない私はすぐに席を確保し、サンドに札を流し込みます。

・・・。

10分後、私がいたのは平日とは違い、びっしりと車で埋まった駐車場でした。

翌日、空腹でいつもより早く目が覚めます。パチスロで全財産を失った私は小銭もほとんど無く、また公園の水しか口にせずに一日を過ごしていたのでした。

「はらへった・・・」

公園で顔を洗い、空いているペットボトルに水を汲み、車の中で歯を磨くことには慣れましたが、空腹はいつまで経っても慣れることはなく、危機感や喪失感を生み、モチベーションを奪っていきます。

唯一の救いは、今日が給料日ということです。会社に行き、営業へ出た後、すぐに銀行へいけばその後、空腹を満たすことはできるでしょう。

しかし、その後は消費者金融と闇金、携帯代の支払いが待っています。

「支払いして、いくら残るんだろう・・・」

そんなことも一瞬、頭をよぎりましたがとりあえず私の頭の中は、会社を出た後、銀行へ行き全財産を下し、コンビニに行って空腹を満たすことだけでした。

そして会社に行き、適当に準備を済ませた私は、誰よりも早くホワイトボードのプレートを”外勤”にします。

こんな時は、佐々木さんのデスクに視線を向けることもありません。

会社を出た後、目が覚めてすぐに想像した通りに銀行へ行き、ATMに並んで全財産をおろし、すぐにコンビニに車を走らせました。

「あ、あとビッグフランク一つ下さい」

おにぎり2個をレジに置き、そう告げた私は会計を済ませると、小走りに車に戻りケチャップとマスタードが入った容器を真ん中から”パキン”と折ってビッグフランクに赤と黄色の線を描き、すぐにかぶりつきます。

おにぎり2個もあっという間に食べ終わり、一呼吸おくと少しだけ元気になり、だんだんと生気が戻ってくる気がしました。

「ふぅ・・・。生き返った・・・」

しかしその瞬間、湧き上がったのは新たな危機感です。

「ほとんどお金、残らないな・・・」

手持ちのお金を、改めて数えて支払いを計算した時、せっかくの元気がまたどこかに消えてしまいました。

代償

車のエンジンキーを回し、まずは携帯ショップに向かいます。向かっている間に、現在ある20万円近いお金がどんどん少なくなるイメージが頭を巡り、テンションが下がりました。

支払いを済ませると次は消費者金融です。当時、私は4件の消費者金融から約180万円の借金がありました。いつも返済した後は、すぐに限度額いっぱいまで現金を引き出していたので、ほとんど借金は減っていません。

一件目の消費者金融の支払いを済ませた後、すぐに限度額いっぱいまで借り入れします。

そして2件目の時に、驚愕の事実が私に訪れました。

「あれ?借り入れできない・・・・」

そうです、どのような基準かわかりませんが、私は借入をストップされ返済のみとなっていました。

あくまでも憶測ですが、毎月、返済した後、すぐに借り入れしていたので借入残高は常に限度額いっぱいです。しかも何度も増額の申し込みもしていました。恐らくそれに懸念を示し、「コイツは危ない」と思われたのでしょう。

そしてさらに私は追い込まれます。

3件目の消費者金融も、4件目の消費者金融も同じ状態で、新たな借り入れができないようになっていました。

「マジかよ・・・」

自分の中で、頼みの収入源を立たれたような気になり、さらに気分が沈んでいきます。

本当は、収入源ではなく単なる借金ですが・・・。

改めて残金を確認すると、11万7千円です。

残りは、闇金への返済でしたが、元金を含め2件とも返済すると2万7千円しか残らないことに愕然としました。

冷静に考えるとバイト代もあるので、ギリギリ生活は可能でしょう。しかし約20万の給料がおろしたその日に約10分の1近くに減ってしまうことに、大きな絶望を感じます。

この落差に全てのモチベーションが奪われた気になるのです。

それは、とても不快でした。

本来サラリーマンにとって給料日は、嬉しいはずです。1ヶ月我慢して、頑張った成果が現れる日であり、それが報われると感じる日であるはずでした。

きっと他のサラリーマンは嬉しい日のはずです。給料日は多少無理をして美味しい物をたべたり、飲みに出かけるでしょう。

しかし、私にはそんな感情は一つもありませんでした。

そしてこの先も、この感情が月に一度訪れるような気になり、すべての元気が体から消えていく気がします。

全ての元凶は、パチンコ・パチスロです。そして、それに伴う闇金への借金でした。

私は頭の中ではそれに気付いています。しかし強引にそれを掻き消し、他に原因を探し、見つからないため、運命のせいにします。

私はこういう時、パチンコ・パチスロを止めることを考えることはできません。何より最も優先することになっています。

「なんでオレは、こんな思いしなければいけないんだ・・・」

自分と向き合わず、運命のせいにしてやり過ごす・・・。

そんな自分が悪くなっていく状況をせき止めることができません。

せいぜい、以前に洋平と地方に出張にいった時、飲んだ帰りに酔った勢いで見てもらった手相の占い師の言葉を心のよりどころにするしかありませんでした。

「あなたは苦労しているねぇ・・・。でも晩成型だから、もう少ししたら楽になるよ。安心しなさい」

現実は楽になるどころか、地獄へ一直線です。晩成っていつなんだよ・・・。

返済日はまだ少し先でしたが、2件の闇金に連絡をします。

一瞬、返済金を軍資金にパチスロを打つことが頭をよぎりましたが、なんとかこらえてとりあえず返済しようと考えることができました。

「すいません、完済で・・・」

「そうか、あべさん、また何かあったら相談に来いよ」

「はい・・・」

闇金に心を支配されていた私は、闇金を完済する時いつも複雑な気持ちが渦巻いていました。

闇金の恐怖や苦しさを消すことが出来た安心感。

もしまたピンチになったら、ここにくればお金を借りることができる安心感。

この2つの「安心感」は、同じ安心感ですが、全く質が違うものです。

それが複雑に自分の中で入り組んで、なんともいえない違和感を生み出します。

そして、雑居ビルを出た時「2度と借りない!」と誓うのでした。

2件目の闇金も無事完済し、車に乗り込んだ時に一瞬、爽快感が生まれます。お金は少なくなりましたが、恐怖や苦しさの支配から逃れた爽快感です。

何気に携帯電話を開き、時間を確認すると12時を過ぎています。私は改めてコンビニに寄り、駐車場で食べながら少しだけ残る、違和感を排除したくて落ち着かなくなっていました。

なにか満たされない気持ちがあり、それをどうにかしたかったのです。

私は必死にそれを満たすための材料を探しますが、見つかりません。

見つかるはずがないのです。自分と向き合っていない私は、自分にとって何が大事なのか、何を求めているのかをわかっていないのです。

私は無意識の内に携帯電話を開き、メールを打ちます。

「おつかれさま。どこか食事に行きたいな。金曜日、大丈夫?」

弁当を頬張っていると5分もしない内に携帯電話のメール音がなりました。

「大丈夫ですよ」

携帯電話をしばらく眺めながら、佐々木さんと起こるあらゆることを想像し、満たされない違和感を満たしています。

「よし、午後から営業頑張るかっ!」

私は、自分と向き合うことを避け、逃げ出し、その代わりを佐々木さんに求めました。

私は、快楽や偽物のプライドでそれを満たそうとしています。

しかし、本当に私を満たしてくれるものはそこにはありません。

私は心のどこかで、気付いていました。

だけどそれと向き合う勇気を持つことはできません。

そして、すぐに気付くことになります。

代替の快楽や偽物のプライドで満たした後の代償を。

 

72話終了です。

 

パチンコ依存症・パチスロ依存症ということに気付かず、毎日苦しんでいた時期は、とにかく毎日満たされていませんでした。パチスロを打てば負けて満たせない。食べれなくてお腹が満たせない。給料日にはあっというまになくなるお金を見て、一ヶ月の成果が意味のないように感じて満たせない。等々、いつも心に隙間を感じていた記憶があります。

自分と向き合わずに、本当の問題を避けていた私はとりあえず身近なもので、それを満たそうとしますが、当然のようにそれには代償がついていまわります。

もっと言えば、満たせると思ってパチンコ・パチスロを打つのもありますよね。

 

まだまだ続きます。

73話↓

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