パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話

パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話-75

投稿日:2019年12月15日 更新日:

どんな時も現実から目をそむけ、自分と向き合うことを避けている私は、決して上手くは行っていない毎日を、偽物のプライドと目先の快楽で解消しようとします。しかし目の前に現れる現実は、自分の思惑とは真逆のことばかりでした。

※この物語は半分フィクションですが出てくるエピソードは実際に体験したことです。
いやほとんど実話です。
名前や団体名、組織名等は仮名になってます。
読んでいて気分を害したりする場合がありますのでその辺をご了承の上ご覧下さい。

不変

「腹、減った・・・。朝定食だな」

佐々木さんを見送った後、いつも行く牛丼屋に向かいます。手にはまだ、しっとりと湿った吸い付くような肌の感触や、主張が大きい柔らかい胸の感触が残っていました。

一人になると、昨日の疲れや、その前日のバイトと寝不足の疲れが一気に襲ってきます。

しかし、体は酷く重く痺れていましょたが、頭だけは冴えている妙な感覚です。

私は、その重く痺れている体が、なぜか誇らしく、悪くないなと冴えた頭で考えていました。

気分が良く、誇らしい気分でいられるのは、佐々木さんと関係があったからだけではありません。

きっと、会社にいるほとんどの男性社員は、佐々木さんの体に興味を示しているはずです。制服の上からでもわかる、スタイルの良さや目立つ胸、そして顔とのアンバランスさ。普通の男性であれば少なからず、手に入れたいと考えるはずです。

それなのに会社にいる男性社員はだれも、手に入れるどころか触れることも出来ないでしょう。

私だけがそうすることができているのです。

流されそうになりながら、初めて釣ったニジマスを背中から食べ、体に取り込んだように、佐々木さんがもつ何かが、私の体の一部になった気がします。

自分だけが特別なような気がしました。

今日から何かが変わる気がしたのです。

「ご注文、おきまりですか?」

「あ、特朝定食」

「玉子は、生卵と半熟玉子どちらになさいますか?」

「えっと、生卵で」

「かしこまりました」

特朝定食も、生卵の選択も、いつもと同じです。

気付いていませんが、私は何も変わっていませんでした。

昨日の行ったばかりの造園所に車をはしらせます。駐車場に入ると3分の1ほど車が停まっていました。街の風景が見える場所に車を停めます。まだ空が青い内に、ここに来るのは久しぶりでしした。

運転席から、黄色や赤に変わっていく木々の葉を見ながら、ゆっくりと眠りに入っていく。

季節や周りの状況は刻々と変化をしていくのに、私は何も変わっていません。

目が覚めると14:00過ぎです。周りを見るとたくさんの車で埋まっていました。

用もないのに車を停めていることに、バツを悪く感じ、造園所を後にします。

朝までは残っていた、しっとりと湿った吸い付くような肌の感触も、主張が大きい柔らかい胸の感触はすでに残っていませんでした。

残っているのは、疲れが溜まった重い体だけです。

遅めの昼食のつもりで、ハンバーガーショップに立ち寄ります。ドライブスルーにはせずに店内に入り購入しました。

店内は、学生や親子連れ、カップルなどで賑わっています。

レジにはすでに5,6組の客が並んでいて、店を出ようと思いましたが、それも面倒に感じ、仕方なく列の後ろに並びました。

「チーズバーガー、ピクルス抜きとポテトのS・・・」

私がここに来た時にする、いつもと変わらない注文内容です。

店を出た後、近くにあったスーパーに入り、ペットボトルのお茶を購入します。

セットでドリンクをつけるより、安く済ませることができ、ドリンクの量も多いからです。

車に戻り、チーズバーガーにかぶりつくと口の中に、酸味を感じます。

苦手なピクルスが入っていました。ピクルス抜きを注文したのに・・・。

一瞬、怒りがこみ上げてきて、もう一度ハンバーガーショップに戻り、交換してもらおうと考えましたが、すぐに怒りを落ち着かせ行くのを止めにしました。

これは、私が心が広いわけでもなく、人間が出来ているわけでもなく、ただ単に、体の重さが抜けずダルくて面倒だったからです。

バンズの上を取り、ピクルスを捨て、改めてチーズバーガーにかぶりつきました。まだピクルスの風味が残っていて、少しイラつきましたがペットボトルのお茶を含んで、ピクルスの風味をごまかしました。

すぐに公園の駐車場に行き、一番端に車を停めた後、後部座席に横になり携帯電話のアラームをスーパーの弁当が半額になる時間の15分前にセットして改めて眠りにつきます。

「あれ・・・?今日はバイトだっけ・・・」

眠る前に、ぼんやりと頭に浮かんできました。

いつもはそう考えるだけで憂鬱になります。

しかし、体の重さとダルさは、憂鬱になるスキを与えず深い眠りへと導いてくれました。

地道

携帯電話のアラームが鳴り目が覚めます。まだ寝ぼけている状態で、運転席に移動しエンジンをかけました。心なしか少し体が軽くなった気がします。

スーパーに着くと、少し早歩きで惣菜コーナーに向かいます。既に人だかりが出来ていて、半額のシールの貼られた弁当を物色していました。

一つだけ残っていた、紅鮭幕の内を手に取ろうと思った時、2人となりにいた50過ぎの男性も同じ弁当を取ろうとします。

その時「オレが先だ」という気持ちと半額の弁当を取り合う情けない気持ちが交差し、なんともいえない気持ちになりました。

結局、紅鮭幕の内はその男性に譲り、私は”コロッケ弁当”を手に取ります。しかし心の奥では、しばらくやりきれない気持ちになっていました。

弁当とお茶を買い、車に戻るとすぐに袋から取り出し弁当を口に運びます。そのままバイトの時間まで、ボーっと車のフロントガラスから空を眺めていました。

そこで改めて財布を取りだし、残金を確認します。

残金は2万6千円と小銭が少し、来週にバイト代が入り、その後も週に1回バイト代が入ることを考えると、生活するには間に合う金額でした。

そう考えると少し安心しましたが、同時に今後どうするかで少し不安になってきます。

まだ、今のところは車中泊でも問題のない季節ですが、これから冬になることを考えると色々と問題もあるでしょう。

会社の営業車なので、ガソリン代も気になります。自分だけ他の人よりも、明らかにガソリンは多く使っています。

最近は出張も多く、何とかごまかしがききましたが、そのうち私だけガソリン代が高いのが問題になるかもしれません。

ましてや、冬になると車にいる間や寝る時は、エンジンをかける時間が増えてしまいます。

早急に対策を考えなければいけない状態でした。また、追い出された部屋のことや、未払いの家賃なども気になってきます。

そう考えると、全てが情けなくなり少しでも早くこの状態を脱出したいと思いました。

私の心のよりどころである”偽物のプライド”が今の状態を不快に感じています。

これを解消するにはお金しかありません。というよりもまずはお金です。出来るだけ支出を減らし、地味でもバイト代を少しでも多く貯めるしか無いのです。

そして何よりも、パチンコ・パチスロから足を洗うのが先決でした。

その事実が私に重くのしかかります。と、同時にとてつもなく無理な気がして、一気に私からモチベーションを奪いました。

沈んだ気持ちのままバイトに向かいます。着くと関口が淡々と道具を車に積み込んでいるんのが見えます。

私は、何の採り得もなさそうで社会のど底辺に見える関口のことをいつも心の奥で見下していましたが、関口なりにきっと普通に生きているのだろうという気持ちになり、さらに自分のことが情けない気持ちになりました。

いつもの通り、慣れない強烈な臭いを我慢しながら仕事をこなします。関口は特に嫌な表情や態度を見せずにこなしていました。

「関口さん」

「あん?」

「関口さんて。この仕事、長いんですか?」

「5年くらい」

「止めようと思ったことないんですか?」

「ねえよ。なんで?」

「い、いや、結構きついじゃないですか。キレイじゃないし・・・」

「わかんねぇ。別にきつくねぇよ、まぁ少しくせぇし、汚ねぇけど」

「そうですか・・・」

「何、おまえ辞めんの?」

「いや、止めるつもりは無いんですけど、関口さんいつもすげぇなと思って」

「何が?」

「オレ、正直汚いと思ってますし、臭いとかいつもギリギリ耐えてやってますもん。関口さんて、いつも普通というか平気っていうか・・・」

「・・・・」

関口はその後、私からの会話を遮るように、スカトロもののAVの話を始めます。全く理解できない性癖とデリカシーのない言葉に、改めてコイツは最低だと思い、違う世界の人間だと思いました。

バイトが終わり、風呂に入った後、眠りにつきます。

目が覚めると、時計は昼の12時。

すると、昨日考えた現実が改めて、私を襲ってきて支配しました。

この生活も長くは続けられないでしょう。

事態は刻々と迫ってきています。

闇金の借金がなくても、佐々木さんと関係を結んでも、何も変わらない自分の状況が次から次へと襲ってくるのです。

私は改めて、財布を取り出し残金を確認します。

2万5千円。

いつもなら万札が入っていれば多少の安心感がありましたが、今は安心感はありません。

すぐにでも全てを清算して、普通に戻りたい・・・。

私を今、支配しているのは恐怖です。

そして、その恐怖を払拭するのは「お金」です。

早く何とかしないと冬が来てしまいます。それまでに何とかしなければいけない気持ちに支配されました。

現在私ができる何とかする術は、地道にバイト代をためることです。しかし今のペースでは冬までには到底まにあわないでしょう。

私はどうして良いかわからず、またどうすることもできない自分に苛立ってきました。

そのまま無意識にエンジンをかけ、車を走らせます。

着いたのは、まだネオンの光っていない、いつもの場所です。

 

75話終了です。

 

パチンコ・パチスロ依存症の方がパチンコ・パチスロに向かわせる理由のひとつに「安心感」があります。このブログでは何回も記事にしていますが、安心感を得たいという気持ちに支配されると、その気持ちに打ち勝つのは困難です。

これがスリップの原因になったり、禁パチを難しくしている要因でもあります。

この時の私は、全く気づくことができずに、さらに自分の首をしめている日々でした。

あたりまえですがパチンコ・パチスロの先には、安心感などありません。

 

まだまだ続きます。

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