パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話

パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話-76

投稿日:2019年12月22日 更新日:

状況が刻々と悪い流れに変化していく中、私は一つも変化していませんでした。焦りを感じる余裕もなく、追い込まれていきます。財布の中身は2万5千円。たどり着いたのは、まだネオンの光っていないいつもの場所です。

※この物語は半分フィクションですが出てくるエピソードは実際に体験したことです。
いやほとんど実話です。
名前や団体名、組織名等は仮名になってます。
読んでいて気分を害したりする場合がありますのでその辺をご了承の上ご覧下さい。

油断

自分で自分を追い込んでいる心理状況の中、たどり着いたいつもの場所。2万5千円という軍資金で挑む絶対に負けられない勝負がまた始まります。

当然ですが、100%勝てると見込んで来たわけではありません。勝てる見込みどころか負ける可能性の方が高い勝負です。

今日の私の感覚は、何だかいつもと違いました。

何だか勝てる可能性が少ないように感じたのです。もちろん「勝ちたい」「出玉やコインを出したい」という気持ちは強く持っていましたが、心のどこかで「負けるかも」という気持ちに気付いていたのでした。

しかし私はパチンコ依存症・パチスロ依存症です。ここまで来て、そのまま打たずに帰ることはできません。

また、心のどこかで負けを予感しても、来週の火曜日に入るバイト代が心を緩ませました。

薄っすらと、「今日、万が一負けてもすぐにバイト代が入るから大丈夫」という、余計な安心感が、わずかに芽生えた「負けたらまた苦しくなるから打たないほうが良い」と考えを掻き消してしまいす。

どちらにしても、私に「打たない」という選択肢は生まれません。

店内に入ると、日曜日ということもあり、パチンコは7割スロットは9割位の客付です。こういう時に空いている台に過度の期待は禁物でしょう。

先にスロットの島を回ります。いつも打っているキングパルサーは満席でした。出玉を見ると可も無く不可もなくという感じです。ただ一台だけ600ゲームを超えて投資を続けている少し高齢の男性の台が気になりました。

他にも北斗の拳や吉宗なども同じく満席になっています。しかし特に出ている台はなさそうです。

私はパチスロを諦め、パチンコの島を回ることにします。どちらかというとパチンコの島の方が出玉感がありました。相変わらず海物語は満席です。

こうなると空いてる台に座るのは躊躇してしまいます。根拠はありませんが、全ての空席のとなりは多くの出玉を積んでいたからです。

私にしては珍しく、すぐに台に座らず店内をグルグルと回っていました。空いてる台はどの台も打つ気にならなかったのです。

そんな中、吉宗の256ゲーム抜けの台に空席がでました。履歴を見ると天井の後、5連荘して止めています。

軍資金は2万5千円。天井まで届く軍資金ではありません。

しかし30分ほど打たずに店内を回っていた私は、打ちたい衝動に駆られています。

しかし打つのが怖いという気持ちもありました。当りを引けずフィニッシュということも十分考えられたからです。

いつもの「なんでもいいから打ちたい、レバーを叩きたい」という気持ちと酷く冷静な自分が混在したなんだか変な感じでした。

しかし迷っている時間はありません。この混雑状況を考えるとすぐに台を押さえないとすぐにとられてしまうでしょう。

私はここで考えます。

「いったんキングパルサーの島を見てみよう。もし空いていたらキングパルサーにしよう。空いてなければ、この吉宗で勝負!」

私はキングパルサーの島へ移動します。すると、先ほど600ゲームハマっていたキングパルサーを打っていたひとが席を立とうとしていました。

「まっマジかっ!!」

私は小走りにその台に向い、打っていた人が席を立った瞬間、下皿にタバコを投げ入れ台を確保しました。

改めてゲーム数を見ると920ゲーム。最悪でも1万円以内で天井に到達します。思ってもいないチャンスに冷静だった気持ちが一気に興奮してきました。

「よっしゃ、超ラッキーだわ」

いつもの私なら何の根拠もなしに、256ゲーム抜けの吉宗を打っていたことでしょう。しかし冷静な判断が、お宝台ともいえる台をゲット出来たのです。

さっそく札をサンドにいれコインを台に入れて楽な気持ちでレバーを叩きます。現在ある軍資金以内で必ず当りが引けるのが保証されているようなものです。

いつものような、追い込まれた気持ちは微塵もありませんでした。

投資4千円目に、連続演出が3連してそれがガセ演出の時も、「まぁまぁまぁ」と余裕な気持ちでレバーを叩き、ストップボタンを押し続けました。

ゲーム数が1200ゲームを超え、後もうすぐで天井を迎えます。

投資は8千円。

もしかすると、天井まで行かずに当りを引けるかもという気持ちはありましたが、まずはしょうがないでしょう。

そして1270ゲームを超え、天井ゲームの1280ゲームを迎える直前、血の気の引くような違和感を覚えます。

「あ、あれ・・・?演出が出ない・・・」

私の精神状態はいつも以上に最悪になりました。

イミトラクサ

1277、1278、1279、1280・・・。

天井である1280ゲームを超えても当たりは来ませんでした。

ストック切れ・・・。

過去にも経験はありますが、「まさか・・・」という気分です。

キングパルサーはストック機で、当りのフラグは全てストックされます。

ゲーム性として大当たりの後はストックがある場合それを放出するゲーム数を抽選します。その天井が1280ゲームということです。

当然ストックが無い場合は、大当たりを引いた後に放出するゲーム数を抽選する事になります。

1280ゲームを超えてしまったということは、この後、何ゲームで当りがくるかわからないということです。

当然、いちどストックが切れているので、仮に早い段階で当りを引いても多くの連チャンが期待出来るとは限りません。

もちろん、設定に期待出来ればそれもある程度期待出来ますが、履歴を見るとそれほど設定には期待出来ませんでした。

残り資金は1万4千円。

回せるゲーム数は約400ゲーム。

私は選択をせまられます。

でも、この時の私はそんなことなど、どうにでもよくなっていました。

ボーナスを引く、うんぬんよりも今ここで止めてその後、出されることは我慢が出来ませんでした。

ここで止めると、投資した1万1千円が無駄になってしまいます。

本来ならば、このまま撤退するか、他の台を探しても良いでしょう。しかし私はパチンコ依存症・パチスロ依存症です。出した答えは・・・。

「続行!」

もう、冷静な判断は既にできません。

いつもとは違う冷静な部分は吹き飛んでいました。

ここからは、無心でサンドにお金を投入し、コインを入れ、レバーを叩き、ストップボタンを強打していました。

お金はどんどんコインに変わり、残金は減っていきます。それでも当りのくる気配はありません。

ストップボタンを押すたびに、怒りと焦りが入り乱れ、なんともいえない気持ちが全身をおおいました。

そして残りが千円になった時、少しだけ冷静に戻ります。

「これで、引けなかったら・・・」

というよりも引ける気がしませんでした。

この千円をサンドの投入口に入れた時、全てが終わる気がします。

そして席を立ち、すぐに誰かに座られその後、連チャン想像もされる想像も頭をよぎりました。

それならば、せめてもこの千円は残したいところです。今日の夕食、明日の食事はなんとかしのげるでしょう。

しかし私は、パチンコ依存症・パチスロ依存症です。

頭ではそう考えていても、最後の千円はコインサンドに吸い込まれていきました。

コインが減っていく度に全ての生気が失われていきます。

もう、怒りも焦りもありませんでした。

そして、コインがなくなり、クレジットの表示が0になり全てが終わります。

ノーボーナス、天井越え・・・考えうる中で一番最悪なフィニッシュでした。

私は静かに席を立ち、出口に向かって呆然と歩いていきました。出口を出てから駐車場を車に向かって歩く間、いつもの思いが頭に浮かびます。

「もう、パチスロ止めよう・・・」

何度考えたかわからないこの思いが、ほんの少しだけ失った心を支えてくれました。

呆然としたまま車を運転します。

「腹減ったな・・・」

財布の中には小銭しかありません。

途中スーパーに寄り、大きめの菓子パンを手に取ります。しかしお茶は買えません。

いつもの公園へ行き、空いているペットボトルに水を汲んで、パンを頬張ります。

情けなさと後悔で、おかしくなりそうでした。

冷たくなった水がさらに空しさを増幅させます。

もう、なにもかも上手くいかない気になりました。この生活も今のままでは抜け出せないでしょう。

季節を考えると、そろそろ今の生活も限界があります。さすがにこのまま冬を越すのは難しいと思いました。

冬になれば外の気温はマイナスです。エンジンをかけていれば寒さはしのげますが、そうするとガソリンを多く消費してしまうのです。

私だけガソリンの消費量が多くなれば、それなりに問題になるのは間違いありません。本来は会社の車ですので、私的な使用は出来ないのです。

早急にどうにかしなければいけません。

でなけば、会社での私の立場も危ういでしょう。

私は、そうなった時のことを想像しそれに恐怖しました。会社の中では仕事が出来る人でそれなりに成績も上位で、スマートです。

会社内での評判は上々でした。

きっと私生活も充実していて、誠実な人間性の人というふうに思われています。

佐々木さんはそんな私を見て、気持ちを寄せたのでしょう。

そんな周りの評価を感じていましたし、それに対して気分も良くしてました。

そんな自分が好きだったのです。

しかし実際の私は違います。支払いをまともにせず、ガスや電気を止められ、家賃を滞納し家を追い出され、消費者金融には借金をして、闇金にも手をだし、逃げ出すように会社の車でなんとか生活をしています。

私は、演じている意味がわからなくなり、現実との落差に落ち込みました。

このままの生活が続くと、私の本性がばれるのも時間の問題でしょう。

一瞬だけ私は全てを諦めそうになります。

もう、ごまかすためにあがくことにつかれたのです。

会社のみんなにも、佐々木さんにも全て打ち明けたい気持ちになりました。

自分で自分のことを「クズでどうしようもない人間だ」と知ってもらいた気持ちになったのです。

しかし、それは一瞬でした。

やはりどうしても、今の偶像の自分をなんとか維持しようと考えます。

これが周りにバレることは絶対に我慢できません。

この時、心の奥にある何かが少しだけうずき、手を差し伸べてくれている気がします。しかしそれが何かはわかりません。

私は私自身を失いたくありませんでした。それには、お金です。お金さえあれば今の自分を失うことはないのです。

そして、そのために私が出来うること。

この時の私はパチンコ・パチスロしか考えることが出来ませんでした。

 

76話終了です。

 

パチンコ依存症・パチスロ依存症になると、全てがパチンコ・パチスロになってしまいます。楽しいこと・安心すること・問題を解決すること、その答えが全てパチンコ・パチスロにつながってしまうのです。

当然ですが、答えはパチンコ・パチスロにはありません。むしろ悪い方へと導いていきます。

そして自分に無理をして、必死に演じていてもゆくゆくはバレてしまうものです。それも自分では思ってもいない理由で知られていくことになります。

 

まだまだ続きます。

77話↓

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