パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話

パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話-89

投稿日:2020年3月22日 更新日:

完全にバグった私は、返済するお金がないまま、闇金の男の部屋に行ってしまいます。そこで真っ先に視界に飛び込んできたのは、見事な昇龍の刺青でした。

※この物語は半分フィクションですが出てくるエピソードは実際に体験したことです。
いやほとんど実話です。
名前や団体名、組織名等は仮名になってます。
読んでいて気分を害したりする場合がありますのでその辺をご了承の上ご覧下さい。

願いと願望

「実は・・・あの。そのすいません、お金がありません・・・」

「あん!!?フザけんなっ、ゴルァッ!!オマエ金あるって言っただろっ!!」

そう言うと同時に目の前の、テーブルを私に向かって蹴り上げます。テーブルの縁が勢いよく私の体に当たりましたが、恐怖感が体中を駆け巡り頂点に達していたのか、痛みは感じませんでした。

「すいません、すいません。あ、あのっ、すいません。後、一日待って下さい!絶対になんとかします!」

「あんっ!?何が何とかしますだ、ゴルァっ!!!オマエ、ナメてんのか!!」

次に目の前にあった、ガラス製の灰皿を投げつけてきました。その灰皿は私の右胸と肩の間辺りに直撃します。なぜか、男の手から灰皿が離れた時から、私に直撃する僅かな時間がゆっくりに感じました。

私はこの瞬間から、

”なんとかこの場から逃げなければ、いけない”

ということに全神経を集中させるようになります。

初めて感じる、命の危機でした。

絶対に逃げられない状況。

昇龍の刺青が入った男。

その後ろに飾られた、2本の日本刀。

この空間に置かれれば、”カタギ”の人であれば危機感や恐怖感は感じるでしょう。

ましてや、返済するお金が無い状況です。

そして、こういう時目の前の男がどんな行動をとるのかわからずどう対処して良いかわかりません。

唯一ここから逃れる方法は、お金を払うだけですが、それが出来ない状況に私の頭の中は恐怖だけが支配します。

「い、いやっ、あの、ホント、ほんとなんですっ、明日まで待って下さい!お願いします!」

気がつくと私は、土下座をしています。

唯一の出来ることは、ウソでもなんでも必死感を見せるくらいでした。

「ナメんな、ゴラ。何が明日まで待って下さいだ!ウソつくんじゃねぇっ!!」

「す、すいません!すいません!」

ここからしばらく、恫喝され続けました。

恐怖はさらにふくらみ、私は耐えられなくなっていきます。

恐怖感を何とかしたいですがどうにもならず、ただ、男の言葉を受け止めるだけです。

その迫力に追い詰められ、私の危機感は爆発寸前になっていました。

どうにかしてこの場所から離れなければいけません。

その術が思いつかないまま、時間は過ぎていきます。

「どうすんだゴルァっ!!」

「は、はい!なんとかしますっ!なんとかしますっ」

「テメェ、適当なことぬかすんじゃねぇぞ!何がなんとかしますだコラっ」

「はいっ、すいません。もう一度、もう一度、友人とかに連絡させて下さい!まだ、仕事中とかで連絡ついてない人もいるんで、絶対に大丈夫です」

とはいえ、お金を貸してくれる人は、いません。何とかこの場から逃げ出したくて、必死についたウソでした。

「あ、あの、ですから、車に戻ってこれから電話してきます。連絡ついたらすぐに借りに行って、持ってきますんで、お願いします!」

必死に土下座を繰り返します。

私はこの場から離れることで頭がいっぱいになっていました。ここから逃げ出すことができれば何とかなるはずです。

と、いうよりもそれしか頭に思い浮かびませんでした。

頭を上げると、鋭い眼光で闇金の男と昇龍の刺青が私を睨みつけています。

蛇に睨まれた蛙。

闇金の男と龍に睨まれた、私。

恐らく恐怖感は私のほうが上でしょう。

数秒の沈黙が、さらに緊張感を増幅させました。

目の前にいる男が車に行くことを認めてくれれば、どうにか助かるはずです。

張り詰めた空気を切り裂くように男が、口を開きます。

「ダメだ。認めねぇ」

「ぇ・・・」

願いにも似た、ウソにまみれた願望は、あっさりと吹き飛んでいきました。

準備

「ダメだ。認めねぇ。ここで掛けろ」

私の思惑を見破ったのか、闇金の男はこの場から離れることを認めず、さらに鋭く私を睨みつけます。

「はい・・・」

逃げ道を完全に塞がれた私は、弱々しい返事を返すしか出来ませんでした。

とはいえ、連絡できる人には全て連絡済みです。借りることが出来るのであればこんな思いはしなくてもよかったはずです。

完全に詰みました。

”もっとたくさんの人と人付き合いしておけばよかった・・・”

意味の無い後悔が頭をよぎります。

私はこれまで、友人が多いタイプではありませんでした。

男性・女性含めて、大人数と浅く広く付き合うのではなく、一人の人間と深く狭く人付き合いするタイプです

そのため、こういう時にお金を借りるのに連絡できる人間は限られていました。

また、そのほとんどの人にお金の貸し借りがあります。

いや、貸しはありません。全て”借り”です。

その度に距離が離れていき、普段は知人や友人と会うことはほとんどありません。

空いている時間は、ほとんどパチンコ・パチスロでした。

人付き合いが苦手というよりも、演じている自分がばれてしまうのが怖かったからです。

私はいつも「デキる男」を演じていました。

だけど本当の自分はデキる男ではなく「デキる”風”の男」です。

そんな私がパチンコ・パチスロにのめりこむのは、必然だったのかもしれません。

パチンコ台やパチスロ台の前では、演じなくて良いのです。唯一自分をさらけ出せる場所になっていました。

その結果、あらゆる借金を積み重ね、支払いをせず、部屋を失い、今こうして闇金の男に追い込みをかけられています。

そんな人生を後悔を後悔しました。

「いいぞ、電話しろ」

「はい・・・」

どこに電話しようが、無駄なことはわかっています。しかし私は携帯電話を開き、リダイヤルを上から順番に掛けていました。

何件掛けても、コール音が無情にするだけです。

静寂の空気の中、向かいに座っている闇金の男にも、受話部分から漏れたコール音は届いているでしょう。

一瞬、こんなに頑張ってもどうにもならないのだから、許してくれるのではないかというヨコシマな気持ちがよぎります。

しかし、一瞬見た男の目を見て、浅はかな考えだったことに気づきました。

男の視線にははっきりとした意思を感じます。

お金が無ければ帰すつもりはないという視線が、グッサリとささりました。

早く何とかしなければ、何かしらされるのは間違いないでしょう。

リダイヤルを一周して掛け終わります。

だれに掛けてもコール音のみで、誰も電話に出てくれませんでした。そして折り返し掛かってくることもなさそうです。

「どうした?まだ電話しろ。じゃないとオマエここから出られないゾ」

「は、はい・・・」

無駄とわかっていながら、改めてリダイヤルを押しました。

ここで不思議な感覚におちいります。

リダイヤルのコール音を聞きながら、誰にも出てほしくないと思ったのです。

電話に出てしまうと当然、私はお金を貸してほしいと懇願するでしょう。しかし、私にお金を貸す気にはならないはずです。

嫌悪感すら覚えるかもしれません。

もし、私が逆の立場なら「なんだコイツ。金貸してほしい時だけかよ」と思うはずです。

この期におよんで、そう思われることに我慢がなりませんでした。

身の危機がせまっても、「デキる男」を必死に演じようとしています。

今、大事なのは早くこの場から逃げ出す事です。

そのためには、お金の目処をつけるしかありません。

それなのに私は、ちっぽけな偽物のプライドを守ろうとしました。

もう、意味がわかりません。

2周目のリダイヤルを掛け終わった時、無言で男が立ち上がります。

私は”殴られるっ!”と思い一瞬たじろぎました。

男は表情を変えず、こちらに視線を向けた後、携帯電話を手に取りキッチンに行きます。

とりあえずは暴力を振るわれることはないことに、胸をなでおろしました。

キッチンの電気をつけると男は電話を掛けはじめます。

「おう、俺だ。・・・今、ここにいる。・・・ダメだな。なさそうだ。・・・おう頼むわ」

電話では、誰かと私のことを話しているようです。

男の会話の内容から、私を誰かに引き渡そうとしていると推測できました。

私の中にある恐怖と不安はピークを超えます。

いよいよ、”何か”されるのです。

あらゆる想像が、駆け巡りました。

「さらわれて、マグロ漁船に乗らされるのか?」

「それとも、山奥にさらわれて強制労働?」

「保険掛けて殺される?」

もう、完全にパニックです。

デキる男の影は、微塵ものこっていません。

全身はガタガタ震えてきました。

追い込まれた私は”賭け”に出ることを決意します。

目を離した隙に、逃げようと思いました。

男は会話に夢中になっています。おそらくこの後のことを話し合っているのでしょう。

逃げ出すなら今しかありません。

もし、つかまればどうなるかわかりません。

しかし、このまま何もしなくてもどうなるかわからないのです。

私は音を立てずにゆっくりと立ち上がろうとします。

「!!」

立ち上がることが出来ませんでした。

長い時間、正座をしていたため足がしびれてしまっていたのです。

私の人生はここで終わりを告げます。

この瞬間、全てを受け入れました。

もう、あがこうという意志がおきなくなります。

少しだけ、恐怖と苦しみから解放され楽な気持ちになりました。

その時!

携帯電話のメール受信ランプが光ります。

無意識のまま受信したメールを開きました。

「まさくん!どこにいるの?」

そのメールに添付された画像には、満面の笑みと満開に咲いた「サクラ」が写っています。

 

89話終了です。

 

この頃の闇金の追い込みかたは、もの凄いものがありました。アチラの世界の方は、「緊張と緩和」「アメとムチ」を使い、この頃の私のような債権者をうまくコントロールしていましたが、返済しない時にはその金額が小額の時でも容赦はしませんでした。

もちろん、”緩和”も”アメ”もありません。”緊張”と”ムチ”そして恐怖だけです。

 

まだまだ続きます。

90話↓

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