パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話

パチ依存症をこじらせて闇金から借金してた頃の話-97

投稿日:2020年5月17日 更新日:

「とりあえず、考えさせて」意外なミィからの言葉に私の全身は再び恐怖に支配されます。そして意を決して私が発したセリフは「たのむ、20万貸してくれ・・・」空間が重く、そしてグニャリと歪むのを感じました。

※この物語は半分フィクションですが出てくるエピソードは実際に体験したことです。
いやほとんど実話です。
名前や団体名、組織名等は仮名になってます。
読んでいて気分を害したりする場合がありますのでその辺をご了承の上ご覧下さい。

スペース

プライドを捨て、借金のことや支払いのこと、そして闇金のこと全て話した後に部屋に転がり込むことをお願いします。

当然、ミィは快く受け入れてくれると思っていました。

しかし、返ってきた返事は、

「とりあえず、考えさせて」

でした。

思わぬセリフに頭の中はパニックに陥ります。

再び恐怖が全身を包みました。

そこで思わず口をついた

「20万貸してほしい・・・」

少しずつ、昔のような柔らかい空気が、一変してピーンと張り詰めそしてグンと重くなるのがわかりました。

「・・・」

「たのむよ、ミィ・・・。ミィもわかっただろ・・・?返さないと、何をしてくるかわからないんだ・・・」

「うん・・・」

ミィは浮かない顔で下を向いたまま、こちらを見ようとはしませんでした。

ミィにだけは、こんな姿を見せないようにしてきましたが、そんな意思は跡形もなく消えています。

もう、ミィしか頼る相手はいませんでした。

これ以上、闇金の借金を引き伸ばすのは、不可能です。

プライドなど言っていられません。

私は必死に懇願しました。

「ミィには悪いと思っている。だけどマジで返さないとホントにオレ終わっちゃうんだ・・・。助けてくれよ・・・。必ず返すよ・・・」

「うん・・・。でも、だって、ホントに私、今回の引越しでお金ないのよ・・・」

「わかってるよ。すまないと思ってる。だから、だから・・・」

「ほんとにお金ないよ、私」

なんども、「お金がない」と断るミィにも私は一歩も引かず、お願いするのをやめませんでした。

確かに引越しでお金はかかっているのはわかりますが、お金がないなんてことはないと考えてしまいます。

私は彼女のことを考えてあげることができずに、自分が助かることしか頭にありませんでした。

次の闇金の支払いは不可能です。

これ以上、ジャンプで借金を引き伸ばすのは無理でしょう。

私の頭の中には、どうにかしてミィからお金を借りることしか生き延びる術が無いという考えに支配されていました。

「まさくんが、困っているのはわかるわよ・・・」

「じゃぁ・・・たのむよ・・・」

この時私は、もう少し押せばなんとかなると考えていました。

借金が平気な人間の根拠のない思考です。

もちろん、人によって限界はありますが、自分以外の人間は”お金を持っている”と考えてしまいます。

ただ、単純にお金を貸すことに躊躇していると考えてしまうのです。

この後も、ミィとの話は続きます。

しかし、一貫して彼女は、「お金がない」と返すだけです。

おそらく、ミィには闇金の本当の恐ろしさがわかっていないのでしょう。支払いに追われる苦しみがわからないのでしょう。

わからなくて当たり前です。

「ねぇ、まさくん、今日はもう休もうよ・・・」

「えっ?あ、・・・うん・・・」

結局、話はなにもまとまらず平行線のままでした。

この先の生活や支払いのことは解決しません。

曖昧な状況が、恐怖を呼び不安を生み出します。

「じゃぁ、ミィの部屋に来ていいのかも、お金のことも考えさせてってことかよっ!!」

精神的に追い込まれた私は、つい声を荒げてしまいました。

「だから、ちょっと待ってって、言ってるじゃない!」

珍しく彼女も、声を荒げて言葉を返してきました。

思ってもいないミィの態度に、あせってしまいこれ以上言葉が出てきません。

徐々にあきらめの境地に入ってきました。

「うん・・・。わかったよ・・・」

どんよりとした空気の中、ミィはベッドにもぐりこみました。

半分空いたベッドのスペースを横目に、私はソファに横になります。

なんだか、こんな雰囲気のまま一緒に寝るのはしのびありません。

電気を消し、彼女の寝息が聞こえてくるとさらに不安が全身を支配します。

カーテンの隙間から、朝日が差し込んでも、ミィは壁際にぴたりとふっつき、ベッドの半分より右側は空いたままでした。

白のマグカップ

中々、寝付けず深い眠りに入ったのは朝になってからです。

目が覚めると、ミィはキッチンにたっていました。

一瞬、寝坊したと思い焦りますが、日曜であることを思い出し、ホッと胸を撫で下ろします。

「あ、やっとおきた」

「うん」

炊飯器の水蒸気から届くご飯の臭いが、違和感に支配されている私の体を落ち着かせました。

「顔、洗ったら?」

「うん」

そう言われ、何も考えずに顔を洗うと、徐々に意識がはっきりし、少しずつ頭がクリアになってきました。

目が覚めると、側に誰かがいてご飯の香りがする。

ずっと、続けばいいのに・・・。

久しぶりに感じる、この感覚が愛おしく感じました。

と、同時に”今だけかもしれない・・・”という感覚が押し寄せてきて苦しくなってきます。

彼女は、全て受け入れたわけではないのです。

”考えさせて”

この言葉が、重くのしかかり、心の中には違和感が残ったままでした。

久しぶりに食べる、ミィが作ってくれた朝食がさらに違和感を大きくします。

「ねぇ、買い物つれてってよ。食材も買いたいし、洗剤とかも買いたいのよ」

「あ、うん。わかった」

朝・昼兼用の食事を食べ終わり、出かける準備をします。

ミィと買い物に出かけるのはいつぶりだろう。

頭にある、違和感が邪魔をして記憶がよみがえりません。

だけど、買い物をしていても、車にのっていてもミィは、普通でした。

久しぶりの私との時間を楽しんでいるような感じもします。

一方の私は、曖昧な彼女の返事が気になり全く楽しめていませんでした。

早く、確実な答えがほしい。

その奥には、これからの生活のことや、闇金の恐怖が重なり今にも襲いかかろうとしているからです。

そんな私を尻目に、彼女は今までの時間を埋めるかのように笑顔を絶やしませんでした。

「まさくん、黒がいい?それとも白がいい?」

100円ショップの食器がたくさん並んでいる棚でマグカップを手に取り、彼女は私に問いかけます。

「え、あ、うーん・・・。白かな・・・」

ミィは、黒いマグカップを棚に戻し、白いマグカップを2つカゴに入れました。

その姿を見て私の中にある違和感が喜びに変わります。

私用のマグカップを買ったということは、この先私と一緒に住むということを考えてのことです。

昨日の話では返事をしませんでしたが、きっと彼女の中で、心が決まったということでしょう。

やっと、半分だけ不安がなくなった気がしました。

屋根のある、場所での生活を確保することができたのです。

この調子でいけばお金も借りれるはずと考えます。

私は、急に体が軽くなった気がして、機嫌がよくなり饒舌になりました。

「あれ?ミィ、お風呂の洗剤ないんじゃない?」

「鶏肉安いよ」

「めっちゃ、野菜安いじゃん!」

「あ、いいよ、おれ荷物持つから!」

きっと、彼女の倍はしゃべっていたはずです。

買い物を終えて、部屋に戻り買ってきたものを整理します。

買ってきたマグカップの底に貼ってあるシールを丁寧に剥がしながら、さらに浮かれていました。

夕食を食べ終え、一息ついたところで彼女が唐突に口を開きます。

「ねぇ、まさくん・・・」

「うん?」

「まさくんが、ここに来る話なんだけど・・・」

「うん」

「まさくんは、ホントに私と一緒に住みたいの?住む所がないから、転がりこもうとしてるだけじゃない?」

いきなり、核心をつかれたようでドキリとしました。

もちろん、ミィのことは好きです。

二人で過ごす何気ない時間に幸せを感じているのは間違いありません。

しかし、数々の支払いや借金に追い込まれ、住む部屋を失い、これからの季節の生活に不安を抱き、次の闇金の支払いに恐怖している私が、結果的にミィに頼ろうとしているのは間違いありませんでした。

心の奥では、ミィの気持ちを利用して何とかこの状況を抜け出そうとしている気持ちも確かです。

「いや、俺は、ミィと離れてこんな状況になって、絶対に解決したらまた一緒にと思ってたけど、結果的にこうなってしまって・・・。ミィのこと利用しようとか、絶対にそんなことないよ!」

私は、無意識に言葉を発していました。

これが本心なのか、とっさの言葉なのかは、わかりません。

「私ね、どんな状況でもまさくんとまた、こうしているいるのがとてもうれしいの。一度はもう会わないって決めたけど、やっぱり一緒に居たいと思った。だけど、このまま、まさくんが家にきていいのかどうかわからないのよ。二人にとっていいことなの?」

「・・・」

「全てを受け入れるのが、ほんとにまさくんのためになるのかわからない。だから昨日は考えさせてって言ったの」

「いや、マジでミィにこんな思いをさせてすまなかったと思っている。オレがわるかった。だから、借金とか支払いとかこれからちゃんとするよ。ミィのためにも」

「ホントにちゃんとしてくれる?もういきなり、離れたりしない?」

「信じてくれ。ちゃんとするし絶対離れたりしないよ」

ミィを抱きしめると、全身から寂しさと不安が伝わってきました。

離れていた期間、彼女は本当に寂しく不安で辛かったのでしょう。

そしてその苦しさに必死に耐えていたのでしょう。

「ごめんなさい。まさくんのことは大好きなのに正直言ってとっても不安なの。まさくんとまた一緒にいることが正しいのかわからない・・・」

私はさらに強く抱きしめました。

「大丈夫だ。信じてほしい」

少しの間、静寂な時間が流れます。

そして、体を離し彼女は大きく息を吸いました。

「うん。わかったわ。まさくんを信じ・・る・・・」

不安いっぱいの顔から、表情を変え、まっすぐな目で私を見つめながら決心したようにそう言いました。

懐かしい雰囲気が二人を包み穏やかな空気が漂っている気がします。

希望の光が見えている気がして、気持ちが高ぶるのを感じました

「あと、ミィ・・・」

「うん?何?」

「闇金どうにかしなくちゃならないんだ。20万・・・」

やっと、穏やかになりそうになった空気が、再び大きく歪みました。

希望の光は、暗闇の中でこそ輝きます。

 

97話終了です。

 

何とか、本格的な冬になる前に、車での生活を脱出することができそうです。

ミィはたくさんの不安を抱えたと思います。

しかし、最終的に”私を信じる”という決断をしました。

結果的にこの決断は、彼女にとって失敗であり大きな傷を残すことになります。それは全て私のせいでした。

 

もう少し続きます。

98話↓

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