パチンコ・パチスロは、短時間でお金を得られることや大当たりした時の「興奮状態」が主な原因と思われがちです。もちろん興奮状態も要因の一つですが、パチンカス(依存症)が求めているのはむしろ「安心感」や「安堵感」など、真逆の気持ちを求めています。
パチンコをやっている人の脳内物質の状態を 調べて実験した結果があります。その結果は大当たりの時、脳は安心感を得られる物質が出ていました。
パチンコ依存症・パチスロ依存症を克服するためには、この仕組みを知って取り組むことが大切になります。
少し難しく感じるかもしれませんが、何となくでも仕組みがわかると、必ず依存症克服が捗るはずです。
パチンコ・パチスロを打っているときに脳で起こっている事
まず、リーチがかかった時など大当たりを期待出来る演出等を見ると、脳の中では「大当たりするかもしれない」と興奮・緊張し「ノルアドレナリン」を放出し「アドレナリン」が生成されます。
ノルアドレナリン・アドレナリンは体を緊張状態にさせたり、興奮状態にさせるように作用する脳内物質です。
役物のギミックや音、光などが重なると高い効果で作用し、さらに多くのノルアドレナリン・アドレナリンが分泌されていきます。
そのリーチ等の演出が外れてしまっても、同じくノルアドレナリンや・アドレナリンが脳内には分泌されていて、脳内の興奮状態は変わりません。
より、大当たりが期待できる信頼度の高いリーチが外れると、怒りの気持ちが強くなるのはこのためです。
逆に大きく落胆してしまうのも、興奮しすぎる気持ちや体の状態を脳が無意識に制御するためにおこる現象になります。
そしてそのリーチが大当たりすると「βエンドルフィン」という脳内物質が放出されます。
このβエンドルフィンは「脳内麻薬」 と言われるもので体を落ち着けたり、ほっとしたり、痛みを和らげたりする効果があります。
また、このβエンドルフィンはモルヒネと同じ役割や効果があり、鎮痛効果にいったっては6倍以上の効果があるほどです。
βエンドルフィンの効果でわかりやすい例えは、マラソンなど長時間走り続けている時、体が痛みや疲労感を感じてくると脳はこのβエンドルフィンを放出して痛みや疲労感を和らげてくれ、ある時点から「快感」を感じるようになります。
これが俗に言う「ランナーズハイ」という状態です。
一度「ランニング」や「マラソン」にはまってしまうと、やり続けてしまうというのは、βエンドルフィンの影響が大きいと言えます。
そして、アドレナリンやβエンドルフィンなど脳内物質は放出されてすぐに全身に駆け巡るのではなく、受容体という脳内物質の受け皿に放出されます。
そして血液に運ばれ全身を駆け巡っていくのです。その受容体は放出されればされるほど、どんどん大きくなっていきます。一度大きくなった受容体は小さくなりません。
脳は受容体にβエンドルフィンが足りなくなってくるとそれを求める指令を出します。
パチンコ・パチスロ依存症の人はこの受容体が通常の人より大きくなっており、受容体が大きいと脳は「足りない」と感じる頻度が増えるためこれを求めてどんどん指令を出し続けます。
依存症の要因の一つとして、この脳内麻薬「βエンドルフィン」を脳が欲していてコントロールが効かない状態というのがあるのです。
給料日の後など、「支払いが追いつかない」「お金が手元に残らない・・・」という状態が続くと、安心を求めて手を出してはいけないお金を手に無意識の内に足がホールへ・・・というのは、パチンコ依存症・パチスロ依存症の方であれば、ほとんどの方が経験していることでしょう。
そしてパチンコでは大当たりのラウンド中、パチスロではボーナスを消化中などに、「セロトニン」という物質を放出します。
また、勝って特殊景品を受け取り換金所に行ってお金を得た時にセロトニンを放出しているのです。
セロトニンが脳を駆け巡ると、安心感や安堵感を感じて体全体で幸福感を感じることができるようになります。
よくパチンコ・パチスロを打つ人が言う「脳汁」とは、ノルアドレナリン、アドレナリンが出て体が緊張状態興奮状態になり、大当たりしてセロトニンが放出され、安心感、幸福感を得た時にその落差の部分が「脳汁が出た」と感じる、ということです。
これが、パチンコ・パチスロを打っている時に脳で起こっていることになります。
パチンコ依存症・パチスロ依存症は、常にこの状態を脳で求め、それをコントロールすることはできません。
人間が生きていくために脳が全て指令を出しています。
脳が全て体を支配して行動やそれらを動かしていると言っても過言ではありません。
パチンコ・パチスロ依存症の人が自分の意思でパチンコパチスロを辞めようと思っても止めることができないのは このためです。
自分を責めないで
よくパチンコ・パチスロをやらない人が「なぜ負けると分かっていて打ち続けるの?」とか 借金をたくさん作ってしまい、家族に「もうやらない」と約束しても、少し経つととまた以前の様にパチンコパチスロに通い続けてしまうのもある種、しょうがない事であり必然でもあります。
意志が強い弱いとかダメ人間クズ人間とか関係なく、一度依存症になってしまうと 、どんな人であっても自分一人の意思では、ほぼどうすることもできないのです。
「βエンドルフィン」は脳内麻薬だとか脳内モルヒネと言われます。
鎮痛効果で言えばモルヒネの6倍以上の効果があるといわれている物質です。
脳内麻薬というので、なんだか少し怖いように思いますが、人間が生きてく上で大変重要な物質になっています。
「ほっとする」「落ち着く」「安心感」は 生きてく上で非常に重要な感覚の一つです。
常に興奮状態、危険な状態、痛みのある状態では生きていくことができないので、脳がこれを求めるのは避けられません。
他にも「ノルアドレナリン」「セロトニン」等、 脳内物質や神経伝達物質があり、これらを制御して分泌してバランスよく働かせるのですが、依存症の大きな原因としてこれらの物質の異常分泌が大きく関わっています。
「意志が弱い」「だらしない」などの性格とは別次元の話です。
依存症はれっきとした脳や神経の病気なのです。
ですのでパチンコパチスロ依存症の人は 絶対に自分を責めないでください。
今の状況を自分のせいにして自分を責めないでください。
自分を責めるよりも、この先どうしていくかを考えることが重要です。
パチンコ依存症は病気であり、スリップしてしまうのは病気の症状ということになります。
たしかに他人は感覚的にこれを理解はしてくれませんが、これは仕方のないことです。
しかし、せめて自分は理解してこの事実を受け止めてほしいと思います。
そして一歩ずつ進みより良い自分に近づいてください。
まとめ
最近ではパチンコ・パチスロ依存症は人々にかなり認知されてきています。しかしまだまだ理解されるまでにはまだまだハードルが高く、感覚的には「心の弱い人」「だらしがない人」という印象をもたれることも多くそれが故にパチンコ依存症を克服する足かせになっていることも多くあります。
また、パチンコ依存症当事者である人も知識が乏しく、自分を責めてしまうことが多くなり克服にストップをかけています。
少しでも依存症のことを理解して、一歩でも克服や回復に向かうことはとても大事なことです。
最近の依存症対策は、たくさんの団体や個人の働きかけや行動で国をあげて取り組むようになってきていますが、依存症では無い人にとってこの問題に正面から向き合える人はまだまだ少ないと言わざる得ません。
ですので、少しでもパチンコ依存症をはじめとしたギャンブル依存症のことを理解し、前向きに一歩ずつでも進むことがとても重要になってきます。
これを書いている私自身も重度のパチンコ依存症・パチスロ依存症でした。
本当に身も心もボロボロになり、借金をたくさん作り、周りに迷惑をかけ、大切な人を失い、そして自分を失ってきました。
それでも何とか自分と向き合い少しずつ前に進み、パチンコ依存症・パチスロ依存症を克服し今これを書いています。
ですので、今現在パチンコ・パチスロで苦しんでいる方も必ず大丈夫です。
少しだけ勇気をだして、克服に向けて一歩踏み出す決意をしてほしいと思います。
そこからがより良い自分へのスタートです。
パチンコ依存症・パチスロ依存症は必ず克服できます。
そして大きな安心感があなたを包むでしょう。今の苦しみや辛さは必ず喜びに変わるはずです。
パチンコ依存症・パチスロ依存症克服を決意してまず気になるのは「お金」のことだと思います。お金のことで苦労しないために是非こちらの記事も読んでみて下さい。
ランキング参加中です!応援宜しくお願いします。
↓ ↓
にほんブログ村